Surgical Procedure

IVRO(下顎枝垂直骨切り術)

IVRO(Intraoral Vertical Ramus Osteotomy)は、下顎枝を垂直方向に骨切りし下顎骨を後方に移動させる手術です。顎関節症を合併した受け口(下顎前突)の症例に選択されることが多い術式です。

手術時間(単独)

約1〜2時間

入院期間

5〜7日

保険適用

あり(条件付き)

顎間固定

約4〜6週間

手術の概要

IVRO は下顎枝を垂直方向に骨切りし、下顎骨体部を後方に移動させる術式です。口腔内からアプローチするため顔面に外傷が残りません。

SSRO と異なり、骨切り後の骨片をプレートで固定しないため、術後に顎間固定(上下顎を固定する処置)が約4〜6週間必要です。この間は口が開けられないため、流動食となります。

顎関節への負担が少ないため、顎関節症を合併している症例に選択されることがあります。ただし、適応は症例によって異なります。

適応症例

  • 受け口(下顎前突)
  • 顎関節症を合併した受け口
  • 下顎の後退移動が必要な症例
  • SSRO が困難な症例

注意事項

IVRO は下顎骨を後方に移動させる術式のため、前方移動(小顎症の改善)には適応しません。前方移動が必要な場合は SSRO が選択されます。

リスク・副作用について

神経障害

下唇・顎の一時的な知覚鈍麻。多くは数週間〜数ヶ月で回復しますが、稀に永続する場合があります。

顎間固定による制限

術後約4〜6週間、口が開けられません。流動食となり、日常生活に制限が生じます。

出血・血腫

術中・術後の出血。低血圧麻酔と超音波骨切削器具により最小化に努めています。

感染

術後感染は抗生物質投与により予防しています。

骨の位置ずれ

顎間固定中に骨片がずれる可能性があります。定期的な経過観察が重要です。

顎関節症の変化

術後に顎関節症の症状が変化する場合があります。術前の顎関節評価が重要です。

リスク・合併症の詳細を見る

よくある質問

IVRO(下顎枝垂直骨切り術)とはどのような手術ですか?
IVRO(Intraoral Vertical Ramus Osteotomy)は、下顎枝を垂直方向に骨切りし、下顎骨を後方に移動させる手術です。顎関節症を合併している受け口(下顎前突)の症例に選択されることが多く、関節への負担が少ない術式です。術後は顎間固定(約4〜6週間)が必要です。
IVRO は顎関節症がある場合に有効ですか?
IVRO は下顎骨を後方に移動させる際、顎関節への負担が少ないため、顎関節症を合併している症例に選択されることがあります。ただし、すべての顎関節症症例に適応があるわけではありません。術前に顎関節の詳細な評価が必要です。
IVRO と SSRO の違いは何ですか?
IVRO は垂直方向に骨切りするため、顎関節への負担が少ない一方、術後に顎間固定(約4〜6週間)が必要です。SSRO は矢状方向に骨切りし骨接触面積が広く安定性が高いですが、顎関節症合併例では慎重な適応判断が必要です。
術後の顎間固定はどのくらいの期間ですか?
IVRO 後の顎間固定期間は一般的に約4〜6週間です。固定期間中は口が開けられないため、流動食となります。固定解除後は徐々に開口訓練を行い、通常の食事に移行します。
保険は適用されますか?
顎変形症と診断され、術前矯正を開始している場合は健康保険が適用されます。保険適用の場合、手術個別に説明します程度(入院費含む)です。詳細は初診相談でご確認ください。

関連ページ

IVRO について相談する

初診相談は保険診療で行います。手術の適応・方法・費用について、専門医が詳しくご説明します。

TREATMENT INFORMATION

IVRO(下顎枝垂直骨切り術)の治療内容・費用・期間・リスク

骨格的な原因が疑われる場合は、精密検査で顎骨・歯列・咬合を評価し、矯正治療のみか、外科矯正を組み合わせるかを判断します。治療内容は診断結果により異なります。

治療内容

矯正治療、またはルフォーI型骨切り術・SSRO等を含む外科矯正を、症状・骨格・咬合に応じて検討します。

費用・保険適用

顎変形症と診断され、所定の条件を満たす外科矯正は保険診療の対象となる場合があります。自己負担額は治療内容・高額療養費制度の利用状況により異なります。

標準的な治療期間

術前矯正・手術・術後矯正を含む治療では、おおむね1〜3年を要することがあります。骨格や咬合、治療計画により期間は変わります。

主なリスク・副作用

外科矯正では、腫れ、痛み、一時的なしびれ、出血・感染、咬合の調整、全身麻酔に伴うリスク等が生じる可能性があります。詳しくは診察時にご説明します。