Early Surgery Approach
Early Surgery(アーリーサージェリー)
術前矯正を短縮して早期に骨切り手術(ルフォーI型・SSRO)を行うEarly Surgery(アーリーサージェリー / サージェリーアーリー)の特徴・メリット・適応を専門医が解説します。
Early Surgery(アーリーサージェリー / サージェリーアーリー)とは
Early Surgery(アーリーサージェリー)とは、従来の外科矯正より早い段階で顎矯正手術(骨切り手術)を検討する治療アプローチです。Surgery First(サージェリーファースト)が術前矯正を行わずに手術を検討するのに対し、Early Surgeryでは、一定の術前矯正を行ったうえで手術時期を検討します。
術前矯正の期間、手術時期、総治療期間は、骨格、咬合、歯の傾斜、全身状態、治療目標などで異なります。Surgery Firstの適応が難しい場合にも、Early Surgeryを選択肢として検討できることがあります。
「サージェリーアーリー」と「アーリーサージェリー」は同じ治療法を指します。英語の「Early Surgery」を日本語で表記する際に、「アーリーサージェリー」「サージェリーアーリー」の両方が使われています。
Benefits
Early Surgery(アーリーサージェリー)のメリット
手術時期の選択肢
術前矯正の進み方を踏まえ、従来法より早い段階で手術を検討できる場合があります。
治療計画の見通し
骨格・咬合の状態を評価し、手術と矯正の順序を個別に検討します。
Surgery Firstより幅広い適応
Surgery Firstの適応が難しい症例(歯の代償性傾斜が大きい場合等)でも、短期間の術前矯正で対応可能な場合があります。
適応を慎重に確認
手術時の咬合、術後矯正、リスクを見据え、精密検査に基づいて適応を判断します。
Early Surgeryで行う骨切り手術
Early Surgeryでは、短期間の術前矯正後に以下の顎矯正手術(骨切り手術)を行います。顎変形症の症状に応じて、これらの手術を単独または組み合わせて実施します。
ルフォーI型骨切り術(Le Fort I)
上顎骨を水平に骨切りし、前後・上下・左右に移動。上顎前突・ガミースマイル・開咬の改善に。
SSRO(下顎枝矢状分割術)
下顎枝を矢状方向に分割し、下顎骨を移動。受け口(下顎前突)・下顎後退の改善に最も多用。
IVRO(下顎枝垂直骨切り術)
下顎枝を垂直に骨切り。SSROより顎関節への負担が少なく、顎関節症合併例に適応。
オトガイ形成術
オトガイ部を骨切りし形態を整える。ルフォーI型・SSROと併用し顔貌の調和を図る。
Surgery First・Early Surgery・従来法の比較
| 項目 | Surgery First | Early Surgery | 従来法 |
|---|---|---|---|
| 術前矯正 | 原則として行わずに検討 | 一定期間行った後に検討 | 治療計画に沿って実施 |
| 総治療期間 | 症例により異なる | 症例により異なる | 症例により異なる |
| 骨切り手術の時期 | 治療初期に検討 | 術前矯正後に検討 | 術前矯正の進行後に検討 |
| 顔貌の変化 | 術式・移動量により異なる | 術式・移動量により異なる | 術式・移動量により異なる |
| 適応範囲 | 限定的 | 幅広い | 最も広い |
| 保険・自費の扱い | 治療計画を確認後に案内 | 治療計画を確認後に案内 | 治療計画を確認後に案内 |
| 骨切り手術 | ルフォーI型・SSRO・IVRO | ルフォーI型・SSRO・IVRO | ルフォーI型・SSRO・IVRO |
Early Surgeryの適応となる顎変形症
Early Surgery(アーリーサージェリー)は、下顎前突(受け口)、上顎前突(出っ歯)、開咬、顔面非対称(顔の左右差・歪み)、ガミースマイルなど、幅広い顎変形症に適応可能です。
Early Surgeryはすべての顎変形症に適応できるわけではありません。精密検査と診断に基づいて、Surgery First・Early Surgery・従来法の中から治療方法を選択します。保険・自費の扱いと費用条件は、実際の治療計画と連携体制を確認したうえでご説明します。
TREATMENT INFORMATION
Early Surgeryの治療内容・費用・期間・リスク
骨格的な原因が疑われる場合は、精密検査で顎骨・歯列・咬合を評価し、矯正治療のみか、外科矯正を組み合わせるかを判断します。治療内容は診断結果により異なります。
治療内容
矯正治療、またはルフォーI型骨切り術・SSRO等を含む外科矯正を、症状・骨格・咬合に応じて検討します。
費用・保険適用
顎変形症と診断され、所定の条件を満たす外科矯正は保険診療の対象となる場合があります。自己負担額は治療内容・高額療養費制度の利用状況により異なります。
標準的な治療期間
術前矯正・手術・術後矯正を含む治療では、おおむね1〜3年を要することがあります。骨格や咬合、治療計画により期間は変わります。
主なリスク・副作用
外科矯正では、腫れ、痛み、一時的なしびれ、出血・感染、咬合の調整、全身麻酔に伴うリスク等が生じる可能性があります。詳しくは診察時にご説明します。
