Insurance-Covered Surgical Orthodontics
保険外科矯正
顎変形症と診断された場合、外科矯正(骨切り手術)は健康保険の適用対象となります。保険適用の条件・手続き・費用・治療の流れをご説明します。
保険外科矯正とは、顎変形症(がくへんけいしょう)と診断された患者に対して行う外科矯正治療のうち、健康保険が適用されるものを指します。顎変形症は、上顎・下顎の骨格的な異常により咬合(かみ合わせ)や顔貌に問題が生じる疾患であり、医療保険上は「疾患」として扱われます。
保険適用の条件
外科矯正が健康保険の適用を受けるためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。保険適用の可否は、診察・検査・診断の結果により判断されます。
顎変形症の診断
口腔外科専門医または顎変形症の診療経験を持つ医師が、顎変形症と診断する必要があります。骨格性の咬合異常(反対咬合・開咬・上顎前突・下顎前突など)が対象です。
矯正歯科との連携
保険適用の外科矯正は、保険医療機関に登録された矯正歯科との連携(術前・術後矯正)が必要です。矯正治療も保険適用となります。
保険医療機関での手術
手術は、顎変形症手術を行う保険医療機関(病院)で実施する必要があります。当院は保険診療対応施設です。
手術適応の確認
全身麻酔下での手術が可能な全身状態であることが必要です。術前の全身評価(血液検査・心電図・胸部X線など)を行います。
保険適用外となる場合
- ・ 審美目的のみの手術(顔貌改善のみを目的とする場合)
- ・ Surgery First(術前矯正なしで手術を先行する方法)は自費診療
- ・ 保険医療機関に登録されていない矯正歯科での矯正治療
- ・ 顎変形症の診断基準を満たさない軽度の骨格的不正咬合
保険診療 vs 自費診療 比較
| 項目 | 保険外科矯正 | 自費外科矯正 |
|---|---|---|
| 診断基準 | 顎変形症の診断が必要 | 診断基準なし(審美目的も可) |
| 術前矯正 | 必要(保険適用) | Surgery First で不要も可 |
| 手術費用 | 保険適用(自己負担 3 割) | 全額自費 |
| 矯正費用 | 保険適用(自己負担 3 割) | 全額自費 |
| 入院期間 | 約 7〜10 日 | 約 5〜7 日(短縮可) |
| 治療期間 | 術前矯正含め 1〜2 年 | Surgery First なら 6〜12 ヶ月 |
| 高額療養費 | 適用可(月額上限あり) | 適用なし |
| 医療費控除 | 適用可 | 適用可(医療目的の場合) |
※ 費用は目安です。実際の費用は診察・検査の結果、使用する術式、矯正装置の種類により異なります。詳細は初診相談時にご説明いたします。
保険診療の費用目安
以下は参考目安です。実際の費用は術式・入院日数・使用材料・各医療機関の設定により異なります。
矯正治療費(術前・術後)
手術・入院費
その他費用(参考)
高額療養費制度について:保険診療では、1 ヶ月の医療費自己負担額が一定額を超えた場合に、超過分が払い戻される「高額療養費制度」が利用できます。所得区分により上限額が異なります。詳細は加入している健康保険組合または国民健康保険窓口にお問い合わせください。
保険外科矯正の治療の流れ
初診相談(保険診療)
所要時間:約 60 分顎変形症の疑いがある場合、まず初診相談を受けてください。問診・口腔内診察・X 線撮影を行い、顎変形症の診断基準を満たすかを確認します。
精密検査・診断
所要時間:約 90 分CT・セファロ(頭部 X 線規格撮影)・歯型採取・顔面写真などの精密検査を行い、顎変形症の確定診断と治療計画を立案します。
矯正歯科への紹介・術前矯正開始
期間:6〜18 ヶ月保険医療機関に登録された連携矯正歯科をご紹介します。術前矯正では、手術に向けて歯並びを整えます。期間は症例により 6〜18 ヶ月です。
手術前評価・入院準備
手術 1〜2 ヶ月前手術の 1〜2 ヶ月前に、全身麻酔に向けた術前評価(血液検査・心電図・胸部 X 線)を行います。3D 仮想手術計画(VSP)で手術をシミュレーションします。
手術・入院
入院:約 7〜10 日全身麻酔下で骨切り手術を行います。術式は症例により異なります(Le Fort I、SSRO、IVRO、両顎手術など)。入院期間は約 7〜10 日です。
術後管理・術後矯正
術後矯正:6〜12 ヶ月退院後は定期的な術後管理を行います。腫脹は 2〜4 週で改善します。術後矯正は手術後 2〜4 週から開始し、6〜12 ヶ月で完了します。
当院の保険外科矯正について
当院は保険診療対応施設として、顎変形症の診断から手術・術後管理まで一貫した診療を提供しています。
保険診療対応
顎変形症の診断・手術・術後管理を保険診療で提供。高額療養費制度の活用もサポートします。
連携矯正歯科
保険医療機関に登録された矯正歯科と連携し、術前・術後矯正を保険診療で提供します。
3D 仮想手術計画
CT データを用いた 3D 仮想手術計画(VSP)により、手術の精度と予測性を高めます。
よくある質問
Q保険が適用されるかどうか、どうすれば分かりますか?
初診相談(保険診療)で診察・検査を行い、顎変形症の診断基準を満たすかを確認します。診断基準を満たす場合、保険適用の治療計画を立案します。まずはお気軽にご相談ください。
Q矯正歯科はどこでも良いですか?
保険外科矯正の場合、矯正治療も保険適用となりますが、保険医療機関に登録された矯正歯科でなければなりません。当院では、連携する保険医療機関登録済みの矯正歯科をご紹介いたします。
Q手術は全身麻酔ですか?
はい、骨切り手術は全身麻酔下で行います。入院期間は約 7〜10 日です。術前に全身麻酔に向けた評価(血液検査・心電図・胸部 X 線)を行います。
Q高額療養費制度はどのように使えますか?
保険診療の場合、1 ヶ月の自己負担額が一定額を超えると高額療養費制度が適用されます。手術・入院費が高額になる場合、事前に「限度額適用認定証」を取得することで、窓口での支払いを上限額に抑えることができます。詳細は加入している健康保険組合または国民健康保険窓口にお問い合わせください。
QSurgery First は保険適用になりますか?
Surgery First(術前矯正なしで手術を先行する方法)は、現在の保険診療の枠組みでは保険適用外となります。Surgery First をご希望の場合は、自費診療でのご対応となります。詳細は自費外科矯正のページをご覧ください。
TREATMENT INFORMATION
保険適用の顎矯正手術の治療内容・費用・期間・リスク
骨格的な原因が疑われる場合は、精密検査で顎骨・歯列・咬合を評価し、矯正治療のみか、外科矯正を組み合わせるかを判断します。治療内容は診断結果により異なります。
治療内容
矯正治療、またはルフォーI型骨切り術・SSRO等を含む外科矯正を、症状・骨格・咬合に応じて検討します。
費用・保険適用
顎変形症と診断され、所定の条件を満たす外科矯正は保険診療の対象となる場合があります。自己負担額は治療内容・高額療養費制度の利用状況により異なります。
標準的な治療期間
術前矯正・手術・術後矯正を含む治療では、おおむね1〜3年を要することがあります。骨格や咬合、治療計画により期間は変わります。
主なリスク・副作用
外科矯正では、腫れ、痛み、一時的なしびれ、出血・感染、咬合の調整、全身麻酔に伴うリスク等が生じる可能性があります。詳しくは診察時にご説明します。
