Jaw Deformity
顎変形症とは
顎変形症(がくへんけいしょう)の定義・原因・症状・診断方法・治療法(外科矯正・骨切り手術・Surgery First)・費用・保険適用・入院期間・リスクを、東京医科歯科大学でデジタル矯正歯科学を教える統括院長監修のもと包括的に解説します。
このページの内容
この症状が当てはまる方へ
顎変形症の概要(クイックサマリー)
| 疾患名 | 顎変形症(がくへんけいしょう / Jaw Deformity) |
| ICD-10 | K07.1 |
| 有病率 | 日本人の約3〜5% |
| 原因 | 上顎骨・下顎骨の大きさ・形・位置の異常(遺伝的要因+環境的要因) |
| 主な症状 | 受け口・出っ歯・開咬・顔面非対称・ガミースマイル・下顎後退 |
| 治療法 | 外科矯正(矯正治療+顎矯正手術)、Surgery First、Early Surgery |
| 主な術式 | ルフォーI型骨切り術・SSRO・IVRO・オトガイ形成術 |
| 入院期間 | 当院で1泊2日(一般的1〜2週間) |
| 社会復帰 | 63%以上が1週間未満(当院学会発表データ) |
| 費用目安 | 保険適用: 約50〜80万円(3割負担)/ 自費: 約220〜370万円(手術費) |
| 保険適用 | 顎口腔機能診断施設認定の矯正歯科+指定医療機関で可能 |
※本ページの内容は口腔外科専門医・指導医が監修しています。最終更新: 2026年3月
顎変形症の定義
顎変形症(がくへんけいしょう、ICD-10: K07.1)は、上顎骨・下顎骨の大きさ・形・位置の異常により咬合と顔貌に問題が生じる疾患です。日本人の約3〜5%が罹患し、顎矯正手術を併用した外科矯正が標準治療となります。
歯の位置だけでなく、顎の骨格そのものに原因があるため、通常の矯正治療(歯列矯正)だけでは十分な改善が得られません。顎矯正手術(骨切り手術)を併用した外科矯正が必要となります。
顎変形症は、咀嚼(食べ物を噛む)・嚥下(飲み込む)・発音・呼吸といった口腔機能に影響を及ぼすだけでなく、顔貌の変形による心理的・社会的な問題を引き起こすこともあります。適切な診断と外科矯正治療により、機能的にも審美的にも大きな改善が期待できます。
日本における顎変形症の有病率:日本人の約3〜5%が何らかの顎変形症を有するとされ、決して珍しい疾患ではありません。特に日本人は骨格的に下顎前突(受け口)の傾向が比較的多いとされています。
顎変形症の原因
顎変形症の原因は遺伝的要因と環境的要因の複合です。顎骨の成長パターンは遺伝子に強く規定され、成長期の習癖や外傷が発症を促進します。
遺伝的要因
顎の骨の大きさや形は遺伝的な影響を強く受けます。ご家族に受け口(下顎前突)や出っ歯(上顎前突)の方がいる場合、顎変形症の発症リスクが高まります。顎骨の成長パターンは遺伝子によって大きく規定されています。
成長発育の異常
成長期における上顎骨・下顎骨の成長バランスの乱れが、顎変形症の主要な原因です。下顎の過成長は受け口(下顎前突)に、上顎の劣成長は相対的な受け口や開咬につながります。成長は思春期にピークを迎え、この時期に顎変形症が顕著になることが多いです。
環境的要因・習癖
口呼吸、舌突出癖、指しゃぶり、頬杖などの習癖は、成長期の顎骨発育に影響を与えます。また、外傷(顎の骨折)、顎関節の疾患(顎関節強直症等)、先天性疾患(口唇口蓋裂など)も顎変形症の原因となります。
顎変形症の主な症状(6タイプ)
顎変形症は骨格の異常部位と方向により6つのタイプに大別されます。複数のタイプが合併していることも少なくありません。各タイプの特徴・適応手術・矯正だけでは治らない理由を解説します。

受け口(下顎前突)
矯正歯科単独では改善困難な骨格性下顎前突は、顎変形症の最多タイプです。日本人に特に多く、遺伝的要因が強く関与しています。
顔貌への影響
横顔で下顎が前方に突出し、いわゆる「しゃくれ」の状態になります。下唇が上唇より前に出て、口元の突出感が目立ちます。
咬合への影響
下の前歯が上の前歯より前に出る反対咬合となり、前歯で食べ物を噛み切ることが困難です。発音(サ行・タ行)にも影響が出ることがあります。
適応手術術式
SSRO(下顎枝矢状分割術)またはIVRO(下顎枝垂直骨切り術)が適応。下顎を後方に移動させます。上顎の劣成長を伴う場合はルフォーI型骨切り術を併用します。
ミライズでの対応ポイント
当院では超音波骨切削器具を用いたSSROにより、下歯槽神経への損傷リスクを低減。上下顎同時手術でも約2.5〜3時間で完了します。
矯正だけでは治らない理由
骨格性の下顎前突は、歯の移動だけでは顎骨の位置関係を変えられません。矯正治療で歯の傾きを補償的に変えても、根本的な骨格の不調和は残り、後戻りや顎関節症のリスクが高まります。

出っ歯(上顎前突)
上顎骨の前方突出または下顎骨の後退により、上の前歯が大きく前に出た状態です。骨格性の場合、矯正治療だけでは根本的な改善が困難です。
顔貌への影響
横顔で上顎が前方に突出し、口元が出ている印象になります。口が閉じにくく、無理に閉じるとオトガイ部に梅干し状のしわ(メンタルストレイン)が生じます。
咬合への影響
上下の前歯の前後的な距離(オーバージェット)が大きく、前歯で食べ物を噛み切りにくい状態です。口呼吸の原因となり、口腔乾燥や歯周病のリスクも高まります。
適応手術術式
ルフォーI型骨切り術で上顎を後方に移動、または下顎が後退している場合はSSROで下顎を前方に移動させます。多くの場合、上下顎同時手術が適応となります。
ミライズでの対応ポイント
3Dシミュレーションで術後の横顔を事前に確認。口元の突出感がどの程度改善されるか、患者様ご自身で視覚的にイメージしていただけます。
矯正だけでは治らない理由
骨格性の上顎前突は、歯を後方に移動させるだけでは上顎骨自体の位置は変わりません。抜歯矯正で前歯を引っ込めても、骨格的な突出感は残り、口元の審美的な改善には限界があります。

開咬(オープンバイト)
奥歯を咬み合わせても前歯が咬み合わない状態で、前歯で食べ物を噛み切れません。骨格性の開咬は顎変形症の中でも治療の難易度が高いタイプです。
顔貌への影響
面長(ロングフェイス)の傾向があり、下顔面の高さが大きくなります。笑った時に上下の前歯の間に隙間が見えることがあります。
咬合への影響
前歯が咬み合わないため、食べ物を噛み切ることができません。奥歯に過度な負担がかかり、奥歯の破折や顎関節症のリスクが高まります。発音(サ行・タ行・ラ行)への影響も顕著です。
適応手術術式
ルフォーI型骨切り術で上顎後方部を上方に圧入(インパクション)し、下顎をオートローテーションさせることで開咬を改善します。SSROを併用する場合もあります。
ミライズでの対応ポイント
開咬は後戻りリスクが比較的高い症例ですが、当院では精密な3Dサージカルガイドと術後の厳密な咬合管理により、安定した治療結果を追求しています。
矯正だけでは治らない理由
骨格性の開咬は、上顎骨の垂直的な過成長が原因です。歯の移動だけでは骨格の高さを変えられず、矯正治療後の後戻り率が非常に高いことが報告されています。

顔の左右差(顔面非対称)
上顎骨・下顎骨の左右差により、顔が曲がって見える状態です。咬合平面の傾斜や正中のずれを伴い、三次元的な骨格の評価と手術計画が必要です。
顔貌への影響
正面から見て顎が左右どちらかに偏位し、顔の正中線がずれています。口角の高さの左右差、オトガイの偏位が目立ちます。
咬合への影響
咬合平面が傾斜し、左右で咬み合わせの高さが異なります。片側でしか噛めない状態となり、顎関節症状(開口障害・関節雑音・疼痛)を伴うことが多いです。
適応手術術式
上下顎同時手術(ルフォーI型+SSRO)が基本適応です。上顎の咬合平面の傾斜を修正し、下顎の偏位を改善します。オトガイ形成術を併用することも多いです。
ミライズでの対応ポイント
顔面非対称は三次元的な評価が特に重要です。当院ではDEXIS/RayScan 3D-CTとRayFace顔面スキャンを統合した精密シミュレーションにより、左右差の改善を高精度に計画します。
矯正だけでは治らない理由
骨格性の顔面非対称は、顎骨自体の形態と位置の左右差が原因です。歯の移動では骨格の偏位を修正できず、顔の曲がりは改善されません。

ガミースマイル
笑った時に歯茎が3mm以上露出する状態です。上顎骨の垂直的な過成長が原因の場合、ルフォーI型骨切り術による根本的な改善が可能です。
顔貌への影響
笑顔の際に上の歯茎が過度に見え、審美的なコンプレックスの原因となります。面長の傾向を伴うことがあります。
咬合への影響
咬合自体に問題がない場合もありますが、上顎の垂直的過成長に伴い開咬や上顎前突を合併していることが多いです。
適応手術術式
ルフォーI型骨切り術で上顎骨を上方に移動(インパクション)させます。3〜5mmの上方移動で歯茎の露出が大幅に改善されます。
ミライズでの対応ポイント
ガミースマイルの改善量は術前シミュレーションで精密に計画。笑顔の際の歯茎の見え方まで考慮した手術計画を立案します。
矯正だけでは治らない理由
骨格性のガミースマイルは上顎骨自体が下方に位置しているため、歯の移動では歯茎の露出量を変えられません。ボトックスや歯肉切除は一時的な対症療法に留まります。

下顎後退(小顎症・あごなし)
下顎骨が後方に位置し、横顔で顎が引っ込んで見える状態です。気道狭窄による睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスクも指摘されています。
顔貌への影響
横顔で下顎が後退し、いわゆる「あごなし」「顎が小さい」状態です。相対的に鼻が大きく見えたり、二重顎になりやすい傾向があります。
咬合への影響
上顎前突(出っ歯)と同様の咬合状態を呈し、前歯の咬み合わせに問題が生じます。下顎の後退により舌根部が後方に押され、気道が狭くなることがあります。
適応手術術式
SSROで下顎を前方に移動させます。上顎の問題を伴う場合はルフォーI型骨切り術を併用。オトガイ形成術で顎先の形態も整えます。
ミライズでの対応ポイント
下顎後退は気道への影響も考慮した治療計画が重要です。当院では術前の気道評価も行い、機能的にも審美的にも改善を目指します。
矯正だけでは治らない理由
下顎骨自体が小さい・後退している場合、歯の移動では顎の位置を前方に変えられません。矯正治療で上の前歯を引っ込めても、下顎の後退感は改善されず、気道の問題も残ります。
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顎変形症の診断方法
顎変形症の診断にはDolphin Imagingによるセファロ分析・DEXIS/RayScan 3D-CT・Materialise ProPlan CMFによる3Dシミュレーション等の精密検査が必要です。ミライズ顎変形症クリニックではXR・AIを用いたデジタル顎顔面診断を実施しています。

ミライズ独自のデジタルワークフロー:DEXIS/RayScan 3D-CT → XR術前確認 → 精密3Dプリントサージカルガイド
セファロ分析(頭部X線規格写真分析)
頭部X線規格写真(セファログラム)による骨格分析。SNA・SNB・ANBなどの角度計測により、上顎・下顎の位置関係を数値化して客観的に評価します。
3D-CT撮影(DEXIS OP 3D Vision / RayScan)
Envista DEXIS OP 3D Vision(旧KaVo社最上位機種)およびRayScan最上位機種(日本初導入)による三次元的な顎骨の形態・位置・左右差を精密に評価。骨の厚み、下歯槽神経の走行、骨切りラインの設定など、手術計画に不可欠な情報を得ます。
3Dシミュレーション(ProPlan CMF / Dolphin)
Materialise ProPlan CMFによる3D手術シミュレーションとDolphin Imagingによる顔貌予測で、骨切り手術後の顎位・咬合・顔貌を三次元的にシミュレーション。患者様に術後のイメージを視覚的にお伝えできます。
咬合模型分析・口腔内スキャン・RayFace
RayFaceフェイススキャナーによる3D顔面スキャン、口腔内デジタルスキャン、歯列模型による咬合分析。Ray5DソフトウェアでCT・セファロ・フェイススキャンを統合解析し、デジタルサージカルガイド作製で骨切り手術の精度を最大化します。
ミライズのXR・AIデジタル診断
日本の顎変形症専門クリニックで唯一性の高い、XR(Extended Reality)とAIを活用したデジタル診断フローを導入しています。
ProPlan CMF・3Dシミュレーション
DEXIS/RayScan CT・口腔内スキャンデータをMaterialise ProPlan CMFで解析し、術後の顎位・顔貌を三次元的に予測
XR術前確認
拡張現実技術で手術計画を立体的に確認・検証
3Dプリントガイド
精密サージカルガイドを3Dプリントし、手術の正確性を担保
顎変形症の治療法(外科矯正)
顎変形症の根本治療は外科矯正(矯正治療+顎矯正手術)です。従来法・Surgery First・Early Surgeryの3つのアプローチがあり、ミライズ顎変形症クリニックではすべてに対応しています。
| 治療法 | 治療期間 | 特徴 | 保険適用 |
|---|---|---|---|
| 従来法 | 2.5〜4年 | 術前矯正→手術→術後矯正の標準的な流れ | 可能 |
| Surgery First | 約1〜1.5年 | 術前矯正を省略し先に手術。治療期間を大幅短縮 | 自費 |
| Early Surgery | 約1.5〜2年 | 短期間の術前矯正後に手術。幅広い症例に対応 | 自費 |
従来法(術前矯正→骨切り手術→術後矯正)
1〜1.5年の術前矯正で歯の位置を整えた後、骨切り手術を行い、術後矯正で仕上げる標準的な方法です。幅広い症例に対応でき、保険適用が可能です。総治療期間は2.5〜4年程度です。
外科矯正とはSurgery First(サージェリーファースト)
術前矯正を省略し、治療初期に骨切り手術(ルフォーI型・SSRO等)を行う方法です。治療期間を約1〜1.5年に短縮でき、早期に顔貌が改善されます。手術後の骨代謝亢進(RAP)を利用した効率的な歯の移動が可能です。自費外科矯正となります。
Surgery FirstとはEarly Surgery(アーリーサージェリー)
術前矯正期間を数ヶ月に短縮し、早期に骨切り手術を行う方法です。Surgery Firstと従来法の中間的なアプローチで、Surgery Firstの適応外の症例にも対応できます。自費外科矯正となります。
Early Surgeryとは骨切り手術の術式
顎矯正手術の代表的な術式はルフォーI型・SSRO・IVRO・オトガイ形成術の4つです。すべて口腔内からアプローチするため、顔の表面に傷は残りません。

骨切り手術の術式イメージ(ルフォーI型骨切り術・SSRO)
ルフォーI型骨切り術(Le Fort I Osteotomy)
対象: 上顎骨上顎骨を水平に骨切りし、上顎全体を上下・前後・左右に移動させる手術です。上顎の位置異常、ガミースマイル、開咬、上顎後退などの治療に用いられます。口腔内からアプローチするため、顔の表面に傷は残りません。
下顎枝矢状分割術(SSRO)
対象: 下顎骨下顎枝を矢状方向に分割し、下顎全体を前後・左右に移動させる手術です。受け口(下顎前突)、顔面非対称などの治療に最も多く用いられる術式で、チタンプレートで固定します。
下顎枝垂直骨切り術(IVRO)
対象: 下顎骨下顎枝を垂直方向に骨切りし、下顎を後方に移動させる手術です。SSROと比較して下歯槽神経損傷のリスクが低い特徴があります。顎関節症状のある症例にも適用されます。
オトガイ形成術(Genioplasty)
対象: オトガイ部(下顎先端)下顎の先端(オトガイ部)の骨を切り、前後・上下に移動させることで顎先の形態を整える手術です。他の骨切り手術と併用されることが多く、顔貌のバランスを整えます。

ミライズ顎変形症クリニックの手術の特徴
当院ではStryker Sonopet iQ(超音波骨切削器具・国内第一号導入)を使用し、神経・血管への損傷リスクを低減。低血圧麻酔との併用で出血量を最小限に抑えています。上下顎骨切り術の手術時間は一般的に4〜6時間とされていますが、当院の君塚医師は年間約100例以上の執刀経験を持ち、約2.5〜3時間で完了します。手術室は清潔度クラスII(ISO クラス7)を維持しています。
Surgery First・Early Surgeryについて
Surgery Firstは術前矯正を省略し治療初期に手術を行う方法で、総治療期間を約1〜1.5年に短縮できます。ミライズでは矯正歯科医と口腔外科医のグループ内連携により、Surgery First・Early Surgeryの両方に対応しています。
Surgery First(サージェリーファースト)は、1997年にNagasaka氏らによって提唱された治療法で、従来の外科矯正で必要とされていた術前矯正(1〜1.5年)を省略し、治療の最初に顎矯正手術を行います。手術後の骨代謝亢進(RAP: Regional Acceleratory Phenomenon)を利用することで、効率的な歯の移動が可能となります。
Early Surgery(アーリーサージェリー)は、術前矯正期間を数ヶ月に短縮し、早期に手術を行うアプローチです。Surgery Firstの適応外の症例にも対応でき、従来法よりも大幅に治療期間を短縮できます。
術前矯正の必要性と省略について
術前矯正は「代償的に傾斜した歯を手術前に本来の位置に戻す」ために必要な工程です。省略を希望する場合はSurgery First・Early Surgeryが選択肢となりますが、保険適用外となります。
顎変形症の患者様の歯は、長年にわたり骨格の不調和を補うように傾斜しています(代償性傾斜)。例えば、受け口の方は上の前歯が前方に傾き、下の前歯が後方に傾くことで、見かけ上の咬み合わせを維持しています。この代償的な歯の傾きを手術前に「悪化方向に戻す」のが術前矯正の目的です。
術前矯正中は一時的に咬み合わせが悪化し、見た目も悪くなることがあります。この期間のストレスを避けたい、あるいは治療期間を短縮したいというニーズに応えるのがSurgery First・Early Surgeryです。
| 術前矯正あり(従来法) | 術前矯正なし/短縮(SF/ES) | |
|---|---|---|
| 保険適用 | 可能 | 不可(自費) |
| 治療期間 | 2.5〜4年 | 1〜1.5年(SF)/ 1.5〜2年(ES) |
| 顔貌改善時期 | 手術後(中盤以降) | 治療開始直後 |
| 対応難易度 | 標準 | 高度(専門連携必須) |
| ミライズ対応 | ✓ | ✓(グループ内完結) |
保険外科矯正では術前矯正が必須です。保険適用で外科矯正を受ける場合、術前矯正を省略することはできません。Surgery First・Early Surgeryを希望される場合は自費外科矯正となります。ミライズではどちらの選択肢もグループ内で完結できる体制を整えています。
保険適用の条件と手続き
顎変形症は健康保険が適用される疾患です。適用には①顎口腔機能診断施設認定の矯正歯科での矯正治療、②口腔外科指定医療機関での手術、の両方が必要です。ミライズ顎変形症クリニックは2024年7月に保険医療機関として認定されています。
保険適用の3大条件
※ミライズ顎変形症クリニックは顎口腔機能診断施設認定・保険医療機関です。
保険が適用されないケース
保険適用外科矯正の手続きの流れ
矯正歯科での精密検査・診断
Dolphinセファロ分析・DEXIS/RayScan 3D-CT等による骨格評価
顎変形症の確定診断
顎口腔機能診断施設での診断書作成
連携口腔外科での術前精査
全身状態の評価・手術計画の立案
術前矯正開始(保険適用)
1〜1.5年の矯正治療で歯の位置を調整
入院・手術
顎矯正手術の実施(当院では1泊2日)
術後矯正(保険適用)
咬合の微調整・仕上げの矯正治療
高額療養費制度の活用
高額療養費制度を利用すると、1ヶ月あたりの医療費の自己負担額に上限が設けられます。年収に応じた自己負担上限の目安は以下の通りです。
| 年収モデル | 月の自己負担上限(目安) |
|---|---|
| 〜370万円 | 約57,600円 |
| 370〜770万円 | 約80,100円+α |
| 770万円〜 | 約167,400円+α |
※あくまで目安です。詳細は費用ページをご確認ください。
ご不安なことはすべてカウンセリングでお聞きください
手術のリスクと合併症
顎矯正手術は全身麻酔下の外科手術であり、リスクと合併症の可能性があります。ミライズでは「Five-step Screeningシステム」と術後24時間管理体制により、リスクを最小化しています。重篤な合併症は0件です(2022年1月〜2024年6月、上下顎移動術69症例)。
主なリスク一覧
術後の腫れ・内出血
手術後2〜4週間かけて徐々に引いていきます。超音波骨切削器具の使用で腫れを最小化しています。
一過性の知覚鈍麻
下口唇・オトガイ部の知覚が一時的に鈍くなることがあります。多くの場合、数ヶ月〜1年で回復します。
骨の固定具(チタンプレート)の残存
骨を固定するチタンプレートは体内に残りますが、生体適合性が高く通常は問題ありません。希望があれば除去手術も可能です。
後戻りのリスク
手術で移動した骨が元の位置に戻ろうとする現象です。術後の矯正治療と適切な固定により管理します。
感染リスク
手術部位の感染リスクがあります。クラスII清潔度の手術室と術後の抗菌薬投与で予防しています。
ミライズ独自「Five-step Screening」システム
当院独自の、ミライズ独自の5段階安全管理プロセスです。
術前全身スクリーニング
血液検査・心電図・呼吸機能検査等による全身状態の評価
顎関節評価
MRI・CT・臨床所見による顎関節の状態評価(PCRリスク判定)
気道評価
気道の三次元的評価と全身麻酔のリスク判定
術中モニタリング
低血圧麻酔下での出血量管理・神経モニタリング
術後24時間管理
専任管理チームによる術後24時間の継続的モニタリング
緊急連携病院一覧
2022年1月〜2024年6月、上下顎移動術69症例
※日本顎変形症学会 学術大会発表データより
ご不安なことはすべてカウンセリングでお聞きください
進行性下顎頭吸収(PCR)について
PCR(Progressive Condylar Resorption)は、骨切り手術後に下顎頭が吸収・縮小し、後戻りや顎関節症状が生じる合併症です。発生率は手術全体の数%とされ、ミライズでは術前MRIと顎関節評価プロトコルにより事前にスクリーニングしています。
PCRは多くのクリニックが触れない項目ですが、患者様が正しい情報を得た上で治療に臨むことが重要だと考え、ここで正直に解説します。
PCRとは
骨切り手術後に下顎頭(顎関節の骨の先端部分)が徐々に吸収・縮小する現象です。下顎頭が小さくなることで下顎が後退し、手術で改善した咬合や顔貌が「後戻り」します。顎関節の痛みや開口障害を伴うこともあります。
発症リスクが高いケース
ミライズでのPCRスクリーニング
術前にMRI撮影と顎関節評価プロトコルを実施し、下顎頭の形態・関節円板の状態・顎関節症状の有無を詳細に評価します。PCRリスクが高いと判断された場合は、手術計画の修正(移動量の調整、IVRO選択等)や、術後の厳密な経過観察プログラムを設定します。
顎変形症と顎関節症の関係
顎変形症と顎関節症は合併しやすい疾患です。顎関節症があっても多くの場合は手術可能ですが、活動性の顎関節症がある場合は術前の安定化が必要です。
なぜ合併しやすいのか
顎変形症による咬合の不調和は、顎関節に不均等な力をかけ続けます。特に顔面非対称や開咬の患者様では、片側の顎関節に過度な負荷がかかり、顎関節症(関節雑音・開口障害・疼痛)を合併しやすくなります。
「顎関節症があると手術できないのか?」
軽度の顎関節症(クリック音のみ等)であれば、手術に大きな支障はありません。むしろ、外科矯正により咬合が改善されることで、顎関節への負荷が軽減し、顎関節症状が改善するケースも多く報告されています。ただし、活動性の顎関節症(強い疼痛・進行性の開口障害)やPCRリスクがある場合は、手術前に顎関節の安定化を図る必要があります。
ミライズでの顎関節評価プロトコル
初診時に顎関節の臨床所見(開口量・関節雑音・疼痛の有無)を評価し、必要に応じてMRI撮影を行います。顎関節の状態を総合的に判断した上で、最適な術式(SSRO vs IVRO)と手術計画を決定します。顎関節症を合併している場合でも、適切な評価と計画のもとで安全に手術を行える体制を整えています。
入院期間と社会復帰
ミライズ顎変形症クリニックでは1泊2日の入院で顎矯正手術を行い、63%以上の患者様が1週間未満で社会復帰しています。一般的な大学病院の入院期間1〜2週間と比較して大幅に短縮されています。
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ホテルライクな入院室。テレビ・洗面台完備でリラックスして過ごせます。
社会復帰までの期間(学会発表データ)
当院の患者アンケート調査(術後6ヶ月経過患者対象)では、63%以上の患者様が1週間未満で仕事や学校に復帰しています。
※日本顎変形症学会 学術大会発表データより(有効回答数57名)

なぜミライズを選ぶのか
ミライズ顎変形症クリニックは、学会発表データに基づく客観的な治療成績を公開しています。以下の数字は、すべて学会発表として公開されたデータです。
一般的な大学病院の平均は1〜2週間
根拠: 超音波骨切削器具+低血圧麻酔による低侵襲手術
2022年1月〜2024年6月・69症例
根拠: 学会発表データ
中央値9.0点
根拠: 同上学会発表データ
同期間・全症例経過良好
根拠: Five-step Screeningシステム
全国平均4〜6時間
根拠: 執刀医・君塚医師の年間約100例以上の執刀経験
ミライズグループの専門医チーム
根拠: グループ内完結の連携体制
この数字は、学会発表として公開されたデータです。
第31回日本顎変形症学会学術大会 優秀発表賞(2021年)
当院の治療成績と低侵襲手術に関する研究が、日本顎変形症学会で高く評価されました。
東京医科歯科大学 デジタル矯正歯科学 講師
統括院長の富田大介は東京医科歯科大学でデジタル矯正歯科学を教える立場にあり、先進的なデジタル技術を臨床に還元しています。本ページの内容は統括院長監修のもと作成されています。
XR・AIデジタル診断(日本の顎変形症クリニックで唯一性が高い)
3Dシミュレーション → XR術前確認 → 精密3Dプリントサージカルガイドの一貫したデジタルワークフローを導入。手術の精度と安全性を最大化しています。
この症状が当てはまる方へ
顎変形症に関するよくある質問
Q顎変形症とは何ですか?
顎変形症(がくへんけいしょう)とは、上顎骨や下顎骨の大きさ・形・位置の異常により、咬み合わせや顔だちに問題が生じる疾患です。骨格そのものに原因があるため、通常の矯正治療だけでは改善が難しく、顎矯正手術(骨切り手術)を併用した外科矯正が必要となります。
Q顎変形症の手術にはどのような種類がありますか?
代表的な術式は、上顎のルフォーI型骨切り術(Le Fort I)、下顎のSSRO(下顎枝矢状分割術)・IVRO(下顎枝垂直骨切り術)、オトガイ形成術の4つです。症状に応じてこれらを単独または組み合わせて行います。
Q顎変形症の手術は保険適用されますか?
はい。顎変形症と診断され、顎口腔機能診断施設として認定された矯正歯科と指定医療機関で治療を受ける場合、健康保険が適用されます。3割負担での自己負担額は約50〜80万円が目安です。
Q顎変形症の手術の入院期間はどのくらいですか?
ミライズ顎変形症クリニックでは1泊2日の入院で手術を行います。翌日に歩いて退院されます。低侵襲手術と術後24時間管理により、従来の1〜2週間の入院期間を大幅に短縮しています。
Q顎変形症の手術後、社会復帰までどのくらいかかりますか?
当院の学会発表データでは、63%以上の患者様が1週間未満で仕事や学校に復帰しています。最も多いのは4〜6日(43.2%)で、翌日復帰の方も4.8%いらっしゃいます。
QSurgery First(サージェリーファースト)とは何ですか?
Surgery Firstは、従来の外科矯正で必要な術前矯正(1〜1.5年)を省略し、治療の最初に骨切り手術を行う方法です。総治療期間を約1〜1.5年に短縮でき、早期に顔貌が改善されます。
Q顎変形症は保険適用になりますか?
顎変形症と診断された場合、健康保険が適用されます。ただし、顎口腔機能診断施設認定の矯正歯科と指定医療機関での手術が条件です。ミライズ顎変形症クリニックは2024年7月に保険医療機関として認定されています。
Q顎変形症の手術は何日入院しますか?
一般的な大学病院では1〜2週間ですが、ミライズでは1泊2日で手術を行います。超音波骨切削器具と低血圧麻酔による低侵襲手術により、翌日に歩いて退院が可能です。
Q顎変形症の術後、いつから仕事に戻れますか?
当院の学会発表データでは、63%以上が1週間未満で仕事・学校に復帰しています。最多は4〜6日での復帰(43.2%)です。
QSurgery Firstは保険適用になりますか?
Surgery Firstは術前矯正を省略するため、保険適用外(自費)となります。保険適用での外科矯正を希望する場合は従来法が対象です。
QPCR(進行性下顎頭吸収)はどのくらいの確率で起きますか?
顎矯正手術後のPCR発生率は数%とされています。ミライズでは術前MRIと顎関節評価プロトコルによりリスク症例を事前にスクリーニングしています。
Q顎関節症があっても顎変形症の手術はできますか?
顎関節症の状態によります。軽度の場合は手術が可能ですが、活動性の顎関節症(PCRリスク)がある場合は手術前に顎関節の安定化を図る必要があります。初診で詳細を評価します。
Q顎変形症の治療期間はどのくらいですか?
従来法(保険適用)は2.5〜4年、Surgery Firstは約1〜1.5年、Early Surgeryは約1.5〜2年です。
Q顎変形症の手術に年齢制限はありますか?
顎骨の成長が止まってから(女性16〜17歳、男性17〜18歳以降)が手術の対象となります。上限は特にありませんが、全身状態を考慮して判断します。
Q顎矯正手術後に顔が腫れますか?
術後の腫れは2〜4週間かけて引いていきます。ミライズでは超音波骨切削器具の使用で出血量と腫れを最小化しています。
Qセカンドオピニオンは受け付けていますか?
はい。他院での診断・治療中の方も初診相談・セカンドオピニオンを受け付けています。(完全予約制)
