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顎変形症のセルフチェック|受診すべき10のサイン

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査読・監修

富田大介

監修医情報

富田大介

日本矯正歯科学会認定医・代議員

参考文献

  • 1. 日本矯正歯科学会. 矯正歯科治療ガイドライン. 2023.
  • 2. Proffit WR, et al. Contemporary Orthodontics. 6th ed. Elsevier. 2019.
  • 3. Cunningham SJ, et al. Development of a condition-specific quality of life measure for patients with dentofacial deformity. Community Dent Oral Epidemiol. 2000;28(3):195-201.
  • 4. Hunt OT, et al. The psychosocial effects of cleft lip and palate: a systematic review. Eur J Orthod. 2005;27(3):274-285.

顎変形症の可能性を示す10のサインをご紹介します。セルフチェックの参考にしてください。

もしかして顎変形症?気になる顔の歪みや噛み合わせ、セルフチェックしてみましょう

「最近、顔が歪んできた気がする」「食事の時に噛み合わせが悪いと感じる」「口元がコンプレックスで、人前で笑うのが苦手…」。そんなお悩みはありませんか?もしかしたら、それは「顎変形症(がくへんけいしょう)」のサインかもしれません。顎変形症は、上顎や下顎の骨の大きさや形、位置のバランスが崩れることで、顔の歪みや噛み合わせの異常が起こる状態です。単なる見た目の問題だけでなく、食事や会話、呼吸といった日常生活に欠かせない機能にも影響を及ぼすことがあります。この記事では、ご自身でできる顎変形症のセルフチェックリストや、その原因、そして最新の治療法について詳しく解説します。気になる症状があれば、ぜひチェックしてみてください。早期の気づきが、より良い治療への第一歩となります。

顎変形症とは?単なる見た目だけの問題ではありません

顎変形症は、生まれつき、あるいは成長の過程で、上顎骨(じょうがくこつ)や下顎骨(かがくこつ)の形や大きさに不調和が生じる疾患です。これにより、受け口(下顎前突)や出っ歯(上顎前突)、顔の非対称といった見た目の問題だけでなく、様々な機能的な問題を引き起こします。例えば、食べ物がうまく噛めない「咀嚼機能障害」、言葉が不明瞭になる「構音機能障害」、顎の関節に痛みや雑音が生じる「顎関節症」などが挙げられます。さらに、口が閉じにくいために口呼吸になり、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まることもあります。このように、顎変形症はQOL(生活の質)に大きく関わる問題であり、放置せずに専門的な診断と治療を検討することが重要です。特に、外科矯正という専門的なアプローチが必要になるケースも少なくありません。

【顎変形症セルフチェック】受診を検討すべき10のサイン

ご自身の症状が顎変形症にあてはまるか、以下の10項目でセルフチェックしてみましょう。複数当てはまる場合は、専門医への相談をおすすめします。①下の顎が前に出ていて、いわゆる「受け口」になっている。②上の歯が下の歯より極端に前に出ている「出っ歯」である。③顔の中心に対して、顎の先が左右どちらかにずれている。④口を閉じても、上下の前歯の間に隙間ができる「開咬(かいこう)」。⑤口元全体が前に突き出している「口ゴボ」。⑥笑った時に、上の歯茎が過剰に見える「ガミースマイル」。⑦食事の際に、前歯で食べ物を噛み切るのが難しい。⑧サ行やタ行などが発音しにくいと感じることがある。⑨顎の関節が鳴ったり、痛みを感じたり、口が開きにくかったりする。⑩いびきをかきやすく、睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある。これらのサインは、顎の骨格的な問題を示唆している可能性があります。

なぜ顎変形症になるの?主な原因と症状の種類

顎変形症の原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていると考えられています。最も大きな要因は、遺伝的な骨格の傾向です。ご両親や親族に同様の症状がある場合、その影響を受けている可能性があります。また、幼少期の指しゃぶりや舌を突き出す癖、口呼吸、頬杖といった習慣が、顎の正常な成長を妨げ、不調和を引き起こすこともあります。症状の種類は、骨格のずれ方によって分類されます。代表的なものに、下顎が過剰に成長する「下顎前突症(受け口)」、逆に下顎の成長が不十分な「小下顎症(下顎後退症)」、上顎が前に出ている「上顎前突症」、顔が左右非対称になる「顔面非対称」、前歯が噛み合わない「開咬症」などがあります。これらの症状は単独で現れることもあれば、複数が合併している場合も少なくありません。

専門医への相談が重要!まずは口腔外科・矯正歯科へ

セルフチェックで複数の項目に当てはまったり、日常生活で不便を感じたりしている場合は、勇気を出して専門医に相談することが解決への第一歩です。顎変形症の診断と治療は、主に「口腔外科」と「矯正歯科」が連携して行います。どちらを受診すればよいか迷うかもしれませんが、まずはかかりつけの歯科医院に相談するか、口腔外科または矯正歯科を標榜するクリニックや大学病院を訪ねてみましょう。初診では、レントゲン撮影や歯の模型(歯型)の採取、顔貌の写真撮影などを行い、骨格の状態や噛み合わせを詳しく検査します。その上で、医師が顎変形症であるかどうかを診断し、治療の必要性や具体的な治療計画について説明してくれます。治療への不安や疑問があれば、この段階で遠慮なく質問し、納得のいく説明を受けることが大切です。

顎変形症の標準治療「外科矯正」と進化した手術

顎変形症の根本的な治療法は、歯並びを整える「矯正治療」と、顎の骨の位置を修正する「骨切り手術」を組み合わせた「外科的矯正治療」です。従来の治療では、まず手術の準備のために1〜2年かけて術前矯正を行い、その後に入院して骨切り手術、さらに術後矯正を1年ほど行うのが一般的でした。しかし、近年では医療技術の進歩により、患者様の負担を軽減するアプローチが登場しています。例えば、出血量を抑える「低血圧麻酔」や、神経や血管を傷つけにくい「Stryker Sonopet iQ(超音波骨切削器具・国内第一号導入)」の使用により、手術の安全性が向上し、術後の腫れや痛みが大幅に軽減されるようになりました。これにより、入院期間の短縮や、より早い社会復帰が可能になっています。手術と聞くと不安に感じるかもしれませんが、技術は日々進化しているのです。

新しい選択肢「サージェリーファースト」で治療期間を大幅短縮

従来の外科矯正の課題であった長い治療期間を解決するアプローチとして、「サージェリーファースト」が注目されています。これは、最初に骨切り手術を行い、顎の骨格的な問題を解決してから矯正治療を開始する方法です。東京・南青山にあるミライズ顎変形症クリニックでは、このサージェリーファーストや、さらに早期に手術を行うアーリーサージェリーに積極的に取り組んでいます。この方法の最大のメリットは、治療開始から比較的早い段階で顔貌の改善が実感できること、そして術前矯正が不要になるため、トータルの治療期間を1年〜1年半程度に短縮できることです。同クリニックでは、低侵襲な手術手技により、最短1泊2日の入院で翌日には歩いて退院でき、多くの患者様が1週間未満で社会復帰を果たしています。見た目のコンプレックスを早く解消したい方や、仕事が忙しく長期の休みが取れない方にとって、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

気になる治療費は?保険適用と自費診療のリアル

顎変形症の治療を考える上で、費用は大きな関心事の一つです。咀嚼機能や発音機能に問題があると診断され、国が定めた基準を満たす医療機関で外科矯正治療を受ける場合、矯正治療と骨切り手術の両方に健康保険が適用されます。その場合の自己負担額は、高額療養費制度などを利用することで、総額50〜80万円程度になるのが一般的です。一方で、より審美的な改善を追求する場合や、サージェリーファーストのような先進的な治療法を選択する場合は、自費診療(自由診療)となります。ミライズ顎変形症クリニックのような専門施設での自費手術費用は、手術内容にもよりますが、約220〜370万円(税込、矯正費用別途)が目安です。同クリニックは2024年7月から保険医療機関としても認定されており、患者様の症状やご希望に応じて、保険診療と自費診療の両方から最適なプランを提案してくれます。まずはカウンセリングで相談し、ご自身のケースではどのくらいの費用がかかるのか、具体的な見積もりを確認することが重要です。

参考文献

  1. Proffit WR, et al. Contemporary Orthodontics. 6th ed. Elsevier. 2018;1:1-20.
  2. Naini FB, et al. Orthognathic Surgery: Principles, Planning and Practice. Wiley-Blackwell. 2017;1:1-30.
  3. 日本顎変形症学会. 顎変形症診療ガイドライン. 2020.
  4. Reyneke JP. Essentials of Orthognathic Surgery. 2nd ed. Quintessence Pub Co. 2010;1:1-15.

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医学的アドバイスではありません。 治療の適応や詳細については、必ず専門医にご相談ください。 治療期間・費用・リスク・副作用は症例により異なります。

この記事の執筆者

富田 大介

富田 大介(とみた だいすけ)

ミライズウェルメディカルグループ 代表・統括院長 / 矯正歯科医

日本矯正歯科学会認定医・代議員日本顎変形症学会認定医(矯正歯科)

昭和大学歯学部卒業。東京医科歯科大学大学院(現・東京科学大学)咬合機能矯正学分野修了。ミライズウェルメディカルグループ代表・統括院長として外科矯正の矯正歯科側治療計画を専門とし、Surgery First・Early Surgeryの豊富な臨床経験を有する。東京科学大学(旧東京医科歯科大学)でデジタル矯正歯科学の教育にも携わる。口腔外科専門医との23年間に及ぶ連携歴に基づく精密な治療計画の立案と、デジタルワークフローシステムの構築を主導。

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