治療法

矯正歯科と口腔外科の連携|チーム医療の重要性

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査読・監修

富田大介

監修医情報

富田大介

日本矯正歯科学会認定医・代議員

参考文献

  • 1. Proffit WR, et al. The hierarchy of stability and predictability in orthognathic surgery. Head Face Med. 2007;3:3.
  • 2. Luther F, et al. Orthodontics and orthognathic surgery: the team approach. Br Dent J. 2003;195(10):567-572.
  • 3. Khechoyan DY. Orthognathic surgery: general considerations. Semin Plast Surg. 2013;27(3):133-136.
  • 4. Reyneke JP. Essentials of Orthognathic Surgery. 2nd ed. Quintessence Publishing. 2010.

外科矯正におけるチーム医療の重要性と連携の実際について解説します。

はじめに:顎変形症治療になぜ「チーム医療」が必要なのか?

顎変形症(がくへんけいしょう)は、歯並びだけでなく、上顎や下顎の骨格的な大きさや形、位置の異常によって、顔の変形や噛み合わせの問題が生じる状態です。この複雑な問題を解決するためには、歯を動かす専門家である「矯正歯科医」と、顎の骨の手術を行う専門家である「口腔外科医」が緊密に連携する「チーム医療」が不可欠です。単に歯並びを整えるだけでは、骨格的な不調和は改善されません。逆に、手術で骨格を整えても、歯が正しく噛み合わなければ、治療は成功とは言えません。それぞれの専門医が持つ高度な知識と技術を結集し、患者様一人ひとりに最適な治療計画を立て、実行していくこと。これこそが、機能的にも審美的にも満足のいく結果を得るための最も重要な鍵となるのです。ミライズ顎変形症クリニックでは、このチーム医療を重視し、各分野の専門医が密に連携することで、質の高い外科矯正治療を提供しています。

矯正歯科の役割:美しい歯並びと機能的な噛み合わせの設計

外科矯正治療における矯正歯科医の役割は、手術前後を通じて、最終的に美しく機能的な歯並びと正しい噛み合わせを完成させることです。手術で顎の骨が理想的な位置に移動した際に、上下の歯がぴったりと噛み合うように、事前に歯を動かしておく「術前矯正」が一般的です。しかし、東京・南青山にあるミライズ顎変形症クリニックが得意とする「サージェリーファースト(Surgery First)」では、この術前矯正を行わず、先に手術を行います。この場合、矯正歯科医は手術後の歯の動きを精密に予測し、術後矯正だけで理想の噛み合わせを構築するという、より高度な技術が求められます。手術という大きな変化の後、歯をスムーズに動かし、安定した噛み合わせへと導く。その緻密な治療計画と管理能力こそが、矯正歯科専門医の腕の見せ所であり、治療期間の短縮と患者様の負担軽減に直結するのです。

口腔外科の役割:安全で正確な骨切り手術の実行

チーム医療における口腔外科医の役割は、矯正歯科医が立てた治療計画に基づき、顎の骨を正確な位置に移動させる「顎骨切り手術(がっこつきりしゅじゅつ)」を安全に実行することです。顎変形症の手術では、数ミリ単位のズレが顔の印象や噛み合わせを大きく左右するため、極めて高い精度が要求されます。ミライズ顎変形症クリニックの君塚幸子医師は、日本口腔外科学会専門医・指導医であり、豊富な執刀経験を持っています。当院では、Stryker Sonopet iQ(超音波骨切削器具・国内第一号導入)を使用することで、神経や血管などの軟組織を傷つけるリスクを最小限に抑え、精密な骨切りを可能にしています。また、低血圧麻酔を併用し、手術中の出血量を大幅に減らすことで、患者様の身体的負担を軽減。これにより、「1泊2日の入院、翌日歩行退院」という低侵襲手術を実現し、多くの方が1週間未満での社会復帰を果たしています。

チーム医療の具体的な流れと情報共有の重要性

顎変形症のチーム医療は、どのように進められるのでしょうか。まず、初診相談で患者様のお悩みを伺い、精密検査(レントゲン撮影、歯型採取、顔面写真撮影など)を経て、矯正歯科医と口腔外科医が合同で診断を行います。この診断カンファレンスで、骨格の問題、歯の問題を多角的に分析し、最適な治療方針(術前矯正の有無、手術方法など)を決定します。治療計画が固まると、矯正治療がスタート。定期的に進捗を確認し、必要に応じて口腔外科医と情報を共有しながら、手術に最適な歯並びの状態へと導きます。手術直前には、最終的なシミュレーションを行い、手術に臨みます。手術後も、両医師は患者様の回復状況や噛み合わせの変化を注意深く見守り、術後矯正、そして後戻りを防ぐ保定期間まで、責任を持って連携し続けます。この一貫した情報共有こそが、治療の精度と安全性を担保するのです。

ミライズクリニックのチーム医療体制と緊急時連携ネットワーク

ミライズ顎変形症クリニックは、院内での連携に留まらず、国内の主要な大学病院や医療センターとの強固なネットワークを構築しています。当院の君塚幸子医師は、慶應義塾大学病院、日本赤十字社医療センター(広尾)、東京医科歯科大学病院(現:東京科学大学)、東京大学医学部附属病院、昭和大学病院といった高次医療機関で豊富な手術実績を積んできました。手術はミライズクリニックにて実施しますが、緊急時にはこれらの高次医療機関と密に連携し、万全の医療体制で臨むことが可能です。例えば、全身的な疾患をお持ちの患者様でも、各科の専門医と連携し、安全管理を徹底した上で対応することができます。院内の矯正歯科医と口腔外科医の連携を軸としながら、必要に応じて大学病院の持つ高度な設備や各分野の専門知識を活用できること。これが、患者様に質の高い医療を届けるための、ミライズクリニックの強みです。

連携がもたらす価値:治療期間の短縮と精度の向上

矯正歯科と口腔外科の緊密な連携は、患者様に多くのメリットをもたらします。その最たるものが、治療期間の大幅な短縮です。特に、当院が注力する「サージェリーファースト」や「アーリーサージェリー」というアプローチでは、従来必須とされていた約1年〜1年半の術前矯正期間を省略、または短縮できるため、トータルの治療期間を大きく短くすることが可能です。これは、手術計画と術後矯正計画を、両医師が極めて高いレベルで連携し、精密に立案するからこそ実現できるのです。また、診断段階から一貫して情報を共有することで、治療方針のブレがなくなり、より精度の高い治療結果が期待できます。手術での骨の移動量と、矯正での歯の移動量をミリ単位で調整し、理想的な顔貌と噛み合わせを追求できるのは、まさにチーム医療の賜物と言えるでしょう。

後悔しないために。信頼できる医療チームの選び方

顎変形症治療は、専門性の高い治療であり、医療機関選びが結果を大きく左右します。では、何を基準に選べば良いのでしょうか。重要なポイントは、それぞれの分野の専門医が在籍し、連携体制が確立されているかを確認することです。矯正歯科であれば「日本矯正歯科学会認定医・臨床指導医」、口腔外科であれば「日本口腔外科学会専門医・指導医」などの資格が一つの目安となります。また、カウンセリングの際に、両方の医師から話を聞けるか、診断や治療計画について、両医師がどのように関わるのかを具体的に質問してみましょう。治療の流れ、メリットだけでなく、リスクや費用(保険適用と自費診療の違いなど)についても、丁寧に説明してくれるかどうかも重要です。ミライズクリニックのように、外科矯正に特化し、チーム医療の実績が豊富なクリニックを選ぶことが、安心して治療を受け、満足のいく結果を得るための近道です。

まとめ:質の高い治療結果は、信頼のチームから生まれる

顎変形症という複雑な課題を乗り越え、理想の笑顔と機能的な噛み合わせを手に入れるためには、矯正歯科と口腔外科、二つの専門分野の力が不可欠です。どちらか一方の力だけでは、決して理想のゴールにはたどり着けません。それぞれの専門医が互いの知識と技術を尊重し、患者様という一つの目標に向かって力を合わせる「チーム医療」。これこそが、安全で質の高い外科矯正治療の基盤であり、患者様の未来を明るく照らす光となります。もし、あなたが顎の形や噛み合わせに悩み、治療を諦めかけているのであれば、ぜひ一度、チーム医療を実践する専門クリニックの扉を叩いてみてください。そこには、あなたの悩みに真摯に向き合い、共に歩んでくれる信頼できるパートナーがいるはずです。

参考文献

  1. Proffit WR, et al. Contemporary Orthodontics. 6th ed. Elsevier. 2018;1-744.
  2. Naini FB, et al. Orthognathic Surgery: Principles, Planning and Practice. Wiley-Blackwell. 2017;1-848.
  3. Reyneke JP. Essentials of Orthognathic Surgery. 2nd ed. Quintessence Pub Co. 2010;1-280.
  4. 日本顎変形症学会. 顎変形症診療ガイドライン. 2023.
  5. 日本矯正歯科学会. 矯正歯科治療の指針. 2022.

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医学的アドバイスではありません。 治療の適応や詳細については、必ず専門医にご相談ください。 治療期間・費用・リスク・副作用は症例により異なります。

この記事の執筆者

富田 大介

富田 大介(とみた だいすけ)

ミライズウェルメディカルグループ 代表・統括院長 / 矯正歯科医

日本矯正歯科学会認定医・代議員日本顎変形症学会認定医(矯正歯科)

昭和大学歯学部卒業。東京医科歯科大学大学院(現・東京科学大学)咬合機能矯正学分野修了。ミライズウェルメディカルグループ代表・統括院長として外科矯正の矯正歯科側治療計画を専門とし、Surgery First・Early Surgeryの豊富な臨床経験を有する。東京科学大学(旧東京医科歯科大学)でデジタル矯正歯科学の教育にも携わる。口腔外科専門医との23年間に及ぶ連携歴に基づく精密な治療計画の立案と、デジタルワークフローシステムの構築を主導。

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