治療法

顎変形症の精密検査|DEXIS/RayScan 3D-CTとデジタル診断の重要性

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査読・監修

富田大介

監修医情報

富田大介

日本矯正歯科学会認定医・代議員

参考文献

  • 1. Swennen GR, et al. Three-dimensional treatment planning of orthognathic surgery in the era of virtual imaging. J Oral Maxillofac Surg. 2009;67(10):2080-2092.
  • 2. Plooij JM, et al. Digital 3D image fusion for orthognathic surgery. J Oral Maxillofac Surg. 2011;69(1):e175-e187.
  • 3. Alkhayer A, et al. Accuracy of virtual planning in orthognathic surgery: a systematic review. Head Face Med. 2020;16(1):34.
  • 4. Aung SC, et al. Evaluation of the laser scanner as a surface measuring tool and its accuracy compared with direct facial anthropometric measurements. Br J Plast Surg. 1995;48(8):551-558.

顎変形症の精密検査で用いるデジタル診断技術について解説します。

顎変形症治療における精密検査の重要性

顎変形症(がくへんけいしょう)とは、上顎や下顎の骨の大きさや形、位置の異常によって、顔の変形、噛み合わせの異常(不正咬合)、発音や咀嚼(そしゃく)機能の問題などが生じる状態を指します。この治療法として、顎の骨を切って移動させる外科矯正治療(骨切り手術)が行われますが、成功の鍵を握るのが手術前の「精密検査」です。なぜなら、顎の骨は数ミリ単位のズレが顔全体の印象や噛み合わせに大きな影響を与える、非常にデリケートな部位だからです。正確な骨格の状態、神経や血管の走行位置を把握しないまま手術を行うと、理想的な結果が得られないばかりか、神経麻痺などのリスクも伴います。そのため、治療計画を立てる最初のステップである精密検査が、安全で質の高い顎変形症治療を実現するために不可欠なのです。ミライズ顎変形症クリニックでは、最新のデジタル技術を駆使した精密検査で、患者様一人ひとりに最適な治療計画をご提案します。

従来の診断方法とセファロ分析の限界

これまで顎変形症の診断では、セファロと呼ばれる頭部X線規格写真を用いた「セファロ分析」が標準的な方法でした。これは、頭部を一定の規格で撮影したレントゲン写真上で、骨格の長さや角度を計測し、骨格のズレを評価する手法です。セファロ分析は、顎骨の前後的・垂直的な位置関係を評価する上で非常に有用であり、現在でも重要な検査の一つです。しかし、セファロはあくまで二次元(2D)の平面的な画像であるため、奥行きや左右の非対称性といった三次元(3D)的な情報を正確に捉えることには限界がありました。特に、顔の歪みや非対称性が主訴の患者様の場合、2Dの分析だけでは骨格のねじれなどを正確に評価しきれず、手術計画に誤差が生じる可能性がありました。この限界を克服するために、近年の顎変形症治療では、DEXIS/RayScan 3D-CTを用いたデジタル診断が急速に普及しています。

3D-CTによる三次元的な骨格評価の革新

従来の2Dレントゲンが抱えていた課題を解決するのが、3D-CT(コーンビームCT)による精密検査です。DEXIS/RayScan 3D-CTは、顎顔面領域を三次元の立体画像として詳細に撮影できるため、骨の厚みや形状、顎関節の状態、さらには神経や血管の走行位置まで、あらゆる情報をミリ単位で正確に把握することが可能になります。これにより、従来のセファロ分析では評価が難しかった顔の非対称性や骨のねじれといった複雑な状態も、直感的に理解し、診断することができます。この三次元データは、安全な手術計画の立案に極めて重要です。例えば、下顎の骨切り手術では、骨の中を通る下歯槽神経(かしそうしんけい)を傷つけないよう細心の注意が必要ですが、DEXIS/RayScan 3D-CTで神経の位置を事前に特定しておくことで、そのリスクを大幅に低減できます。東京・南青山にあるミライズ顎変形症クリニックでは、このような先進的な3D-CT検査を標準的に行い、安全性を追求した治療を提供しています。

デジタル診断が拓く未来:3Dシミュレーションによる術後予測

DEXIS/RayScan 3D-CTで取得したデータは、単に骨格を精密に診断するだけに留まりません。そのデータを専用のソフトウェアに取り込むことで、コンピューター上でリアルな三次元モデルを構築し、「3Dシミュレーション」を行うことが可能になります。この技術により、実際に骨をどの位置にどれだけ移動させるかという手術計画を、画面上で視覚的にシミュレーションできます。ミリ単位での骨の移動量や角度を調整し、最も機能的かつ審美的に優れた結果を追求できるのです。さらに、骨格の変化に伴う皮膚や脂肪など軟組織の変化も予測できるため、手術後の顔貌(がんぼう)がどのように変わるのかを、患者様自身が術前に確認することができます。これは、治療への不安を和らげ、納得して手術に臨む上で大きなメリットとなります。このデジタル診断と3Dシミュレーションこそが、現代の顎変形症治療における精度と安全性を大幅に向上させているのです。

ミライズのSurgery Firstを支える精密デジタル計画

ミライズ顎変形症クリニックが対応している「Surgery First(サージェリーファースト)」は、従来必須とされていた術前矯正治療を省略し、最初に外科矯正手術を行う先進的な治療法です。術前矯正の期間(約1年〜1年半)が不要になるため、治療期間を大幅に短縮できるという大きな利点があります。この先進的な治療法を実現できる背景には、まさにDEXIS/RayScan 3D-CTとProPlan CMF 3Dシミュレーションによる精密なデジタル診断があります。手術で顎の骨を理想的な位置に移動させた後の噛み合わせを、コンピューター上で極めて正確に予測できるようになったことで、術前矯正なしでも安定した治療結果を得ることが可能になりました。つまり、精度の高いデジタル計画なくして、安全なSurgery Firstは成り立ちません。当クリニックでは、日本口腔外科学会専門医・指導医である君塚幸子医師が、豊富な経験とデジタル技術を融合させ、患者様一人ひとりに合わせた最適な骨切り手術を計画・実行します。

精密検査から社会復帰まで:ミライズの低侵襲治療フロー

ミライズ顎変形症クリニックでは、患者様の負担を最小限に抑える治療を追求しています。まず初診カウンセリングにてお悩みをお伺いし、DEXIS/RayScan 3D-CTなどによる精密検査を実施します。その結果を基に、専門医が3Dシミュレーションを交えながら最適な治療計画をご説明します。ご納得いただけましたら、ミライズクリニックにて手術となります。なお、緊急時には慶應義塾大学病院や日本赤十字社医療センターなどとの連携体制を整えています。当クリニックの手術は、Stryker Sonopet iQの使用や低血圧麻酔により出血量を抑えるなど、身体への負担を極力減らす工夫が凝らされており、手術時間は上下顎骨切り術でも約2.5〜3時間です。そのため、手術翌日には歩行退院が可能となる「1泊2日」の入院が基本となり、実に63%以上の方が1週間未満で学業や仕事に復帰されています。費用面でも、2024年7月より保険医療機関として認定されたことで、保険適用(約50〜80万円)での治療も可能となり、より多くの方が治療を受けやすくなりました。

まとめ:納得のいく顎変形症治療は、正確なデジタル診断から

顎変形症の治療、特に外科矯正手術は、ご自身の顔貌や機能に変化をもたらす大きな決断です。だからこそ、治療の第一歩である「精密検査」と、それに基づく「正確な診断・治療計画」が何よりも重要になります。DEXIS/RayScan 3D-CTやProPlan CMFデジタルシミュレーションといった技術は、単に治療の精度を高めるだけでなく、患者様自身がご自身の状態を深く理解し、治療後の姿をイメージすることで、安心して治療に臨むための強力なツールとなります。もしあなたが顎の形や噛み合わせに悩み、治療を検討しているのであれば、まずは最新のデジタル診断がどのような可能性を拓いてくれるのか、専門のクリニックに相談してみてはいかがでしょうか。ミライズ顎変形症クリニックでは、初診カウンセリング(¥5,000税別)を通じて、あなたの悩みに寄り添い、最適な解決策を一緒に探していきます。納得のいく治療への道は、ここから始まります。

参考文献

  1. Uribe F, et al. Three-dimensional cone-beam computed tomography-based virtual treatment planning and fabrication of a surgical splint for asymmetric patients: surgery first approach. Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2013;144(5):745-758.
  2. Bobek S, et al. Virtual Surgical Planning for Orthognathic Surgery Using Cone-Beam Computed Tomography and Three-Dimensional Photography. J Oral Maxillofac Surg. 2015;73(4):753-762.
  3. Alkhayer A, et al. Accuracy of virtual planning in orthognathic surgery: a systematic review. Head Face Med. 2020;16(1):34.
  4. Schneider D, et al. Customized virtual surgical planning in bimaxillary orthognathic surgery: a prospective randomized trial. Clin Oral Investig. 2019;23(7):3115-3122.

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医学的アドバイスではありません。 治療の適応や詳細については、必ず専門医にご相談ください。 治療期間・費用・リスク・副作用は症例により異なります。

この記事の執筆者

富田 大介

富田 大介(とみた だいすけ)

ミライズウェルメディカルグループ 代表・統括院長 / 矯正歯科医

日本矯正歯科学会認定医・代議員日本顎変形症学会認定医(矯正歯科)

昭和大学歯学部卒業。東京医科歯科大学大学院(現・東京科学大学)咬合機能矯正学分野修了。ミライズウェルメディカルグループ代表・統括院長として外科矯正の矯正歯科側治療計画を専門とし、Surgery First・Early Surgeryの豊富な臨床経験を有する。東京科学大学(旧東京医科歯科大学)でデジタル矯正歯科学の教育にも携わる。口腔外科専門医との23年間に及ぶ連携歴に基づく精密な治療計画の立案と、デジタルワークフローシステムの構築を主導。

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この記事の査読者

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ミライズウェルメディカルグループ 代表・統括院長 / 矯正歯科医

日本矯正歯科学会認定医・代議員日本顎変形症学会認定医(矯正歯科)

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