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開咬(オープンバイト)の原因と外科矯正

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査読・監修

富田大介

監修医情報

富田大介

日本矯正歯科学会認定医・代議員

参考文献

  • 1. Proffit WR, et al. Surgical versus orthodontic treatment for skeletal open bite. Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2000;118(3):328-336.
  • 2. Greenlee GM, et al. Stability of treatment for anterior open-bite malocclusion: a meta-analysis. Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2011;139(2):154-169.
  • 3. Janson G, et al. Open-bite malocclusion: treatment and stability. Dental Press J Orthod. 2013;18(3):1-4.
  • 4. Kuroda S, et al. Orthodontic treatment of severe open bite with miniscrew anchorage. Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2007;132(5):599-605.

開咬(オープンバイト)の原因・症状・外科矯正による治療について解説します。

開咬(オープンバイト)とは?放置するリスク

奥歯をしっかり噛み合わせたときに、上下の前歯が閉じずに隙間ができてしまう状態を「開咬(かいこう)」または「オープンバイト」と呼びます。見た目の印象からコンプレックスに感じる方が多いですが、問題はそれだけではありません。前歯で食べ物を噛み切ることが難しく、無意識に奥歯で食べ物をすり潰すような食べ方になるため、特定の歯や顎に過度な負担がかかります。また、息が漏れやすくなるため「サ行」や「タ行」が発音しにくくなる滑舌の問題や、口が乾燥しやすくなることによる虫歯や歯周病のリスク増加、さらには顎関節症を引き起こす原因にもなり得ます。このように、開咬は見た目だけでなく、日々の食事や会話、そしてお口全体の健康にまで影響を及ぼす可能性があるため、専門家による適切な診断と治療を検討することが重要です。

なぜ開咬になるの?遺伝と習慣、2つの原因

開咬の原因は、大きく分けて「骨格性」のものと「歯槽性」のものがあります。骨格性開咬は、遺伝的な要因により、上下の顎の骨が垂直方向に過剰に成長したり、成長のバランスが崩れたりすることで生じます。いわゆる「面長」な顔立ちの方に見られることが多い傾向があります。一方、歯槽性開咬は、幼少期の癖が主な原因です。例えば、長期間の指しゃぶり、舌で前歯を押す癖(舌突出癖)、口で呼吸する習慣(口呼吸)などにより、前歯が正常に生え揃わなかったり、歯列が変形したりして起こります。実際には、これらの骨格的な要因と習慣的な要因が複雑に絡み合っているケースも少なくありません。原因を正しく特定することが、適切な治療法を選択する上で非常に重要になります。

自分でできる?開咬のセルフチェックと専門医への相談

ご自身が開咬かもしれないと感じたら、簡単なセルフチェックを試してみましょう。まず、鏡の前でリラックスした状態で奥歯を「いー」っと噛み合わせます。その際、上下の前歯の間に隙間ができていれば、開咬の可能性があります。また、普段から無意識に口がポカンと開いてしまう、舌の先が常に上下の歯の間にある、パンなどを前歯で噛み切るのが難しい、といった自覚症状も判断の目安になります。ただし、これらはあくまで簡易的なチェックです。骨格に問題があるのか、歯の傾きだけが問題なのか、あるいはその両方なのかを正確に診断するには、レントゲン撮影などの精密検査が不可欠です。顎変形症の治療を専門とするクリニックで、一度詳しい検査を受けることをお勧めします。

開咬の治療法:歯列矯正だけでは治らないケースも

開咬の治療法は、その原因によって大きく異なります。指しゃぶりなどの癖が原因で歯の傾きや位置に問題が生じている「歯槽性開咬」の場合は、歯列矯正治療が第一選択となります。ワイヤー矯正やマウスピース型矯正装置を用いて歯を正しい位置に動かし、噛み合わせを改善します。しかし、顎の骨格そのものに問題がある「骨格性開咬」の場合、歯を動かすだけの歯列矯正では、根本的な解決には至りません。無理に歯を動かしても、後戻り(治療後に元の状態に戻ってしまうこと)のリスクが高く、満足のいく結果が得られないことが多いのです。このようなケースでは、歯列矯正と顎の骨を切る外科手術を組み合わせた「外科矯正」が最も効果的な治療法となります。

外科矯正で行う「ルフォーI型骨切り術」とは?

骨格性の開咬を治療するために行われる代表的な手術が「ルフォーI型骨切り術」です。これは、上顎の骨を歯根の少し上の位置で水平に切断し、上方に移動させてプレートで固定することで、物理的に噛み合わせを改善する手術です。これにより、閉じなかった前歯がしっかりと噛み合うようになります。開咬の程度や下顎の状態によっては、下顎の骨を分割して後方に移動させる「下顎枝矢状分割術(SSRO)」を同時に行うこともあります。これらの手術は「顎変形症」という病気の治療として行われ、口腔外科領域の中でも特に高度な技術と知識が求められます。ミライズ顎変形症クリニックの君塚医師は、日本口腔外科学会専門医・指導医であり、豊富な執刀経験を持っています。

治療期間を短縮する「サージェリーファースト」という選択肢

従来の外科矯正では、まず手術前に1年〜1年半ほどの術前矯正を行い、歯並びを整えてから外科手術、その後さらに半年〜1年ほどの術後矯正を行うのが一般的でした。しかし、この方法では治療期間が長くなり、患者様の負担が大きいという課題がありました。そこで近年注目されているのが、最初に外科手術を行い、顔貌の改善と噛み合わせの大きな問題を解決してから術後矯正を行う「サージェリーファースト」というアプローチです。この方法により、審美的な改善を早期に実感できるだけでなく、治療期間全体を大幅に短縮できる可能性があります。東京・南青山にあるミライズ顎変形症クリニックでは、この先進的なサージェリーファーストにも対応しており、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な治療計画を提案しています。

ミライズクリニックの低侵襲な外科矯正

外科手術と聞くと、身体への負担を心配される方も少なくないでしょう。ミライズ顎変形症クリニックでは、患者様の負担を最小限に抑える「低侵襲手術」を徹底しています。骨を切る際には、神経や血管へのダメージを抑えることができる「Stryker Sonopet iQ(超音波骨切削器具・国内第一号導入)」を使用します。また、手術中の出血量を極限まで減らす「低血圧麻酔」を組み合わせることで、手術時間を短縮し、術後の腫れや痛みを軽減します。これにより、手術の翌日には歩いて退院できる「1泊2日入院」を実現しており、実際に手術を受けた患者様の63%以上が1週間未満で学業や仕事に復帰されています。安心して治療に臨める環境が、ここにはあります。

気になる費用は?保険適用と自費診療について

顎の骨格に問題があると診断された「顎変形症」の治療は、公的医療保険の適用対象となります。ミライズ顎変形症クリニックは、保険診療が可能な医療機関として認定されていますので、精密検査の結果、顎変形症と診断されれば、外科矯正治療に保険が適用されます。その場合の自己負担額は、高額療養費制度を利用することで、一般的に50万円から80万円程度になることが多いです。一方、審美的な改善を主目的とする場合など、保険適用外の自費診療も選択可能です。自費診療の場合の費用は約220万円から370万円(税込)となりますが、より柔軟な治療計画を立てられるメリットがあります。ご自身の症状が保険適用になるかどうかも含め、まずはカウンセリングで気軽に相談してみるのが良いでしょう。

参考文献

  1. Solano-Hernández B, Antonarakis GS, et al. Combined orthodontic and orthognathic surgical treatment for the correction of skeletal anterior open-bite malocclusion: a systematic review on vertical stability. J Oral Maxillofac Surg. 2013;71(1):98-109.
  2. Kuroda S, Sakai Y, Tamamura N, Deguchi T, et al. Treatment of severe anterior open bite with skeletal anchorage in adults: comparison with orthognathic surgery outcomes. Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2007;132(5):599-605.
  3. Reichert I, Figel P, Winchester L. Orthodontic treatment of anterior open bite: a review article—is surgery always necessary?. Oral Maxillofac Surg. 2014;18(3):271-277.
  4. Swinnen K, Politis C, Willems G, et al. Skeletal and dento-alveolar stability after surgical-orthodontic treatment of anterior open bite: a retrospective study. Eur J Orthod. 2001;23(5):547-557.

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医学的アドバイスではありません。 治療の適応や詳細については、必ず専門医にご相談ください。 治療期間・費用・リスク・副作用は症例により異なります。

この記事の執筆者

富田 大介

富田 大介(とみた だいすけ)

ミライズウェルメディカルグループ 代表・統括院長 / 矯正歯科医

日本矯正歯科学会認定医・代議員日本顎変形症学会認定医(矯正歯科)

昭和大学歯学部卒業。東京医科歯科大学大学院(現・東京科学大学)咬合機能矯正学分野修了。ミライズウェルメディカルグループ代表・統括院長として外科矯正の矯正歯科側治療計画を専門とし、Surgery First・Early Surgeryの豊富な臨床経験を有する。東京科学大学(旧東京医科歯科大学)でデジタル矯正歯科学の教育にも携わる。口腔外科専門医との23年間に及ぶ連携歴に基づく精密な治療計画の立案と、デジタルワークフローシステムの構築を主導。

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