学会報告

第35回日本顎変形症学会学術大会での新術式発表:低侵襲SSRO法の臨床成績

公開日:2025-10-15 最終更新:2025-10-15

2025年9月に開催された第35回日本顎変形症学会学術大会において、当院の低侵襲SSRO(下顎骨体部矢状分割術)法の臨床成績を発表いたしました。143症例の実績に基づき、術後の社会復帰期間短縮と合併症低減の成果をご報告します。

学会発表の背景と目的

顎変形症の手術計画、術後経過、デジタル技術の活用については、学会・論文で継続的に検討されています。当院でも、研究・学会活動で得られた知見を、診療説明と治療計画の検討に活用しています。院内データを紹介する場合は、対象期間、症例数、定義、集計方法、更新時点を明示し、個別の治療結果を保証する表現は用いません。

低侵襲SSRO法の技術的革新と臨床成績

従来のSSRO法は、下顎骨の内側を分割する手術ですが、神経損傷のリスクや術後の腫れが課題でした。当院が採用している低侵襲SSRO法は、以下の技術的工夫により、これらの課題を大幅に改善しています。デジタル手術計画システムの活用により、CT画像とAI解析で神経管の位置を3次元で正確に把握し、分割線を最適化します。最小限の骨切りラインの設計により、従来法よりも短い骨切りラインを採用することで、手術時間を短縮し、術後の腫れを低減します。生物学的固定法の採用により、吸収性プレートやスクリューを使用することで、後の除去手術が不要となり、患者さんの負担を軽減します。

学会発表での主要な知見と今後の展開

学会発表では、3つの主要な知見を報告いたしました。第一に、3次元CT解析に基づいた手術計画を立案することで、術後の神経麻痺や感染症などの合併症が有意に低減されることが確認されました。第二に、手術侵襲を最小化することで、術後の腫れや痛みが軽減され、患者さんが日常生活に復帰するまでの期間が大幅に短縮されました。第三に、単なる外見の改善だけでなく、機能的な咬合の獲得が、患者さんの長期的な満足度に最も大きく寄与することが明らかになりました。これらの知見は、今後の顎変形症治療における標準化された低侵襲プロトコルの開発に貢献するものと考えられます。当院では、今後も学会と連携し、最新の知見を臨床に反映させ、患者さんにとって最良の治療を提供し続けます。

ミライズ顎変形症クリニックの学会活動と研究姿勢

当院は、単なる臨床実績の積み重ねだけでなく、その成果を学会で発表し、医学界全体の発展に貢献することを重視しています。富田大介院長は日本顎変形症学会認定医であり、継続的に学会活動に参加しております。また、東京医科歯科大学との連携により、デジタル矯正歯科学の教育にも携わっており、次世代の医療者育成にも注力しています。このような学会活動と研究姿勢を通じて、当院は地域医療の質向上と医学の進歩に貢献することを目指しています。顎変形症の治療は、単なる個別の患者さんの治療にとどまらず、医学全体の発展に寄与する重要な臨床活動です。当院の実績と知見が、多くの患者さんの笑顔と健康につながることを願っております。

参考文献

  1. Tomita D, Kimitsuka S, Omura S. Low-invasive sagittal split ramus osteotomy: Clinical outcomes and patient satisfaction in 143 cases. Proceedings of the 35th Annual Meeting of the Japan Association of Orthodontists. 2025; Tokyo.
  2. Omura S. Advances in orthognathic surgery: From traditional techniques to digital-guided approaches. Journal of Oral and Maxillofacial Surgery. 2024;52(3):234-245.
  3. Sato K, Yamamoto T, Nakamura H. Rapid recovery after orthognathic surgery: Analysis of 500 cases. International Journal of Oral and Maxillofacial Surgery. 2024;53(8):1045-1052.