学会発表の背景と目的
2025年9月に東京で開催された第35回日本顎変形症学会学術大会において、当院の低侵襲SSRO(下顎骨体部矢状分割術)法の臨床成績を発表いたしました。本発表の目的は、デジタル矯正技術と低侵襲手術アプローチの組み合わせが、患者さんの術後QOLをいかに向上させるかを、実データに基づいて学会員に報告することです。当院では、2022年1月から2025年9月までの約3年間で、143例の顎変形症手術を実施してまいりました。その中でも、下顎前突症(受け口)に対するSSRO法は、最も症例数が多く、術後の社会復帰が迅速であることが特徴です。今回の学会発表では、この143例全体のデータに基づき、術後1週間以内の社会復帰率63%以上、患者満足度8.9/10、重篤合併症0件という実績をご報告いたしました。
低侵襲SSRO法の技術的革新と臨床成績
従来のSSRO法は、下顎骨の内側を分割する手術ですが、神経損傷のリスクや術後の腫れが課題でした。当院が採用している低侵襲SSRO法は、以下の技術的工夫により、これらの課題を大幅に改善しています。デジタル手術計画システムの活用により、CT画像とAI解析で神経管の位置を3次元で正確に把握し、分割線を最適化します。最小限の骨切りラインの設計により、従来法よりも短い骨切りラインを採用することで、手術時間を短縮し、術後の腫れを低減します。生物学的固定法の採用により、吸収性プレートやスクリューを使用することで、後の除去手術が不要となり、患者さんの負担を軽減します。
学会発表での主要な知見と今後の展開
学会発表では、3つの主要な知見を報告いたしました。第一に、3次元CT解析に基づいた手術計画を立案することで、術後の神経麻痺や感染症などの合併症が有意に低減されることが確認されました。第二に、手術侵襲を最小化することで、術後の腫れや痛みが軽減され、患者さんが日常生活に復帰するまでの期間が大幅に短縮されました。第三に、単なる外見の改善だけでなく、機能的な咬合の獲得が、患者さんの長期的な満足度に最も大きく寄与することが明らかになりました。これらの知見は、今後の顎変形症治療における標準化された低侵襲プロトコルの開発に貢献するものと考えられます。当院では、今後も学会と連携し、最新の知見を臨床に反映させ、患者さんにとって最良の治療を提供し続けます。
ミライズ顎変形症クリニックの学会活動と研究姿勢
当院は、単なる臨床実績の積み重ねだけでなく、その成果を学会で発表し、医学界全体の発展に貢献することを重視しています。富田大介院長は日本顎変形症学会認定医であり、継続的に学会活動に参加しております。また、東京医科歯科大学との連携により、デジタル矯正歯科学の教育にも携わっており、次世代の医療者育成にも注力しています。このような学会活動と研究姿勢を通じて、当院は地域医療の質向上と医学の進歩に貢献することを目指しています。顎変形症の治療は、単なる個別の患者さんの治療にとどまらず、医学全体の発展に寄与する重要な臨床活動です。当院の実績と知見が、多くの患者さんの笑顔と健康につながることを願っております。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医学的アドバイスではありません。 治療の適応や詳細については、必ず専門医にご相談ください。 治療期間・費用・リスク・副作用は症例により異なります。


