治療法

馬蹄形骨切り併用Le Fort Iの意義

治療法約7分で読めます

執筆者

君塚幸子

査読・監修

大村進

名誉顧問・医学博士

参考文献

  • 1. Omura S, Iwai T, Honda K, Shibutani N, Matsui Y. Vital staining of palatal soft tissue in horseshoe Le Fort I osteotomy for superior repositioning of the maxilla. J Craniofac Surg. 2015;26(3):e264-5. DOI: 10.1097/SCS.0000000000001420
  • 2. Maung MM, Hasebe D, Takeuchi R, Kobayashi T. Stability after maxillary setback by horseshoe Le Fort I osteotomy in skeletal class II cases. J Oral Maxillofac Surg Med Pathol. 2025;37(1):1-6. DOI: 10.1016/j.ajoms.2024.05.002
  • 3. Shimazaki K, Otsubo K, Yonemitsu I, Kimizuka S, Omura S, Iwai T, Matsui Y. Severe unilateral scissor bite and bimaxillary protrusion treated by horseshoe Le Fort I osteotomy combined with mid-alveolar osteotomy. Angle Orthod. 2014;84(2):374-83. DOI: 10.2319/032513-241.1
  • 4. Yerit KC, Posch M, Guserl U, Turhani D, Schopper C, Watzinger F, Ewers R. Rehabilitation of the severely atrophied maxilla by horseshoe Le Fort I osteotomy (HLFO). Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod. 2004;97(6):702-12. DOI: 10.1016/j.tripleo.2003.12.019
  • 5. Yoshioka N, Nishiyama A, Oki H, Kurosaka H, Yamashiro T, Kamioka H. Postoperative stability and some tips of horseshoe Le Fort I osteotomy. Int J Oral Maxillofac Surg. 2017;46(1):172. DOI: 10.1016/j.ijom.2017.02.593

馬蹄形骨切り併用Le Fort Iは、上顎骨の複雑な変形に対して有効な外科矯正術です。咬合平面の改善や上顎狭窄の拡大など、機能的な咬合の獲得に大きく寄与します。ミライズ顎変形症クリニックでは、経験豊富な専門医が安全かつ精密な治療を提供しています。

馬蹄形骨切り併用Le Fort Iとは

馬蹄形骨切り併用Le Fort Iとは、上顎骨全体を動かすLe Fort I型骨切り術に、歯槽骨部分を馬蹄形(U字型)に切り離す手技を組み合わせた高度な外科矯正術です。これにより、上顎の三次元的な移動や分節骨切りが容易になり、複雑な咬合異常の改善が可能となります。

顎変形症の治療において、上顎骨の移動は非常に重要なプロセスです。特に、上顎狭窄を伴う症例や、咬合平面の大きな傾斜がある場合、従来の手法だけでは十分な改善が見込めないことがあります。このような難症例に対して、馬蹄形骨切り併用Le Fort Iは強力な治療オプションとなります。

機能的な咬合の重要性と治療の意義

患者さんにとって、見た目の改善だけでなく、機能的な咬合を獲得することは、生涯にわたる健康と生活の質(QOL)の向上に直結します。正しい噛み合わせは、食事のしやすさや発音の明瞭さだけでなく、顎関節への負担軽減や全身の姿勢にも良い影響を与えます。

馬蹄形骨切りを併用することで、上顎骨切り術の自由度が飛躍的に高まります。例えば、上顎の歯列弓を拡大したり、前歯部と臼歯部で異なる移動量を持たせたりすることが可能になります。これにより、個々の患者さんの骨格や歯列に合わせた、より精密で理想的な咬合平面の構築が実現します。

従来法との比較と適応症例

馬蹄形骨切り併用Le Fort Iは、どのような症例に適しているのでしょうか。以下の表に、従来のLe Fort I型骨切り術との比較をまとめました。

比較項目従来のLe Fort I型骨切り術馬蹄形骨切り併用Le Fort I
主な適応一般的な上顎前突、下顎前突など上顎狭窄、開咬、著しい非対称など
骨の移動自由度上下・前後・左右の平行移動が主分節骨切りによる三次元的な微調整が可能
歯槽骨へのアプローチ全体がブロックとして移動歯槽骨部分を独立して調整可能
手術の難易度標準的高度な技術と経験が必要

このように、馬蹄形骨切り併用Le Fort Iは、より複雑な変形を持つ患者さんに対して、オーダーメイドの治療を提供する上で欠かせない技術です。

ミライズ顎変形症クリニックの治療実績

ミライズ顎変形症クリニック(東京・南青山)は、矯正歯科と口腔外科の両方で日本顎変形症学会認定医を擁する全国唯一の民間施設です。統括院長の富田大介は日本顎変形症学会認定医(矯正歯科)であり、東京都の民間クリニックでは唯一の存在です。また、名誉顧問・医学博士の大村進、そして日本口腔外科学会認定医・指導医である私、君塚幸子が連携し、最高水準のチーム医療を提供しています。

当クリニックでは、これまでに143例の顎変形症手術を成功させてきました。特筆すべきは、患者さんの社会復帰率です。63%以上の患者さんが、手術から1週間未満で職場や学校に復帰されています。また、術後の患者満足度は8.9/10と非常に高く、これまで重篤な合併症は0件という安全な治療実績を誇っています。

治療のリスクと副作用

医療広告ガイドラインに基づき、治療に伴うリスクや副作用についても正しくお伝えします。馬蹄形骨切り併用Le Fort Iは高度な手術であるため、一般的な外科矯正術と同様に、術後の腫れや痛み、一時的な知覚鈍麻(しびれ)が生じる可能性があります。また、極めて稀ですが、感染や出血、歯の生活力低下などのリスクもゼロではありません。

当クリニックでは、これらのリスクを最小限に抑えるため、術前の綿密なシミュレーションと、経験豊富な専門医による確実な手術手技、そして万全の術後管理を徹底しています。

著者: 君塚幸子(口腔外科医・日本口腔外科学会認定医・指導医) 査読者: 大村進(名誉顧問・医学博士) 公開日/更新日: 2026-07-02

参考文献

  1. Omura S, Iwai T, Honda K, Shibutani N, Matsui Y. Vital staining of palatal soft tissue in horseshoe Le Fort I osteotomy for superior repositioning of the maxilla. J Craniofac Surg. 2015;26(3):e264-5. DOI: 10.1097/SCS.0000000000001420
  2. Maung MM, Hasebe D, Takeuchi R, Kobayashi T. Stability after maxillary setback by horseshoe Le Fort I osteotomy in skeletal class II cases. J Oral Maxillofac Surg Med Pathol. 2025;37(1):1-6. DOI: 10.1016/j.ajoms.2024.05.002
  3. Shimazaki K, Otsubo K, Yonemitsu I, Kimizuka S, Omura S, Iwai T, Matsui Y. Severe unilateral scissor bite and bimaxillary protrusion treated by horseshoe Le Fort I osteotomy combined with mid-alveolar osteotomy. Angle Orthod. 2014;84(2):374-83. DOI: 10.2319/032513-241.1
  4. Yerit KC, Posch M, Guserl U, Turhani D, Schopper C, Watzinger F, Ewers R. Rehabilitation of the severely atrophied maxilla by horseshoe Le Fort I osteotomy (HLFO). Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod. 2004;97(6):702-12. DOI: 10.1016/j.tripleo.2003.12.019
  5. Yoshioka N, Nishiyama A, Oki H, Kurosaka H, Yamashiro T, Kamioka H. Postoperative stability and some tips of horseshoe Le Fort I osteotomy. Int J Oral Maxillofac Surg. 2017;46(1):172. DOI: 10.1016/j.ijom.2017.02.593

関連FAQ

Q1. 馬蹄形骨切り併用Le Fort Iの手術時間はどのくらいですか? A1. 症例の複雑さにもよりますが、通常は3〜5時間程度です。全身麻酔下で行うため、手術中は痛みを感じることはありません。

Q2. 術後の腫れはいつ頃引きますか? A2. 術後3〜4日が腫れのピークとなり、その後徐々に引いていきます。約2週間で大きな腫れは治まり、1ヶ月程度で自然な顔立ちに戻ることが多いです。

Q3. 入院期間はどのくらい必要ですか? A3. 当クリニックでは、患者さんの負担を軽減するため、短期入院での治療を基本としています。状態が安定していれば、術後数日で退院し、通院での経過観察に移行することが可能です。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医学的アドバイスではありません。 治療の適応や詳細については、必ず専門医にご相談ください。 治療期間・費用・リスク・副作用は症例により異なります。

この記事の執筆者

君塚 幸子

君塚 幸子(きみづか さちこ)

口腔外科医 / 日本顎変形症学会認定医・指導医

日本口腔外科学会認定医・専門医・指導医日本顎変形症学会認定医(口腔外科)

東京医科歯科大学歯学部卒業。同大学院口腔外科学分野修了。日本口腔外科学会認定医・専門医・指導医、日本顎変形症学会認定医(口腔外科)。顎矯正手術(ルフォーI型骨切り術・SSRO・IVRO・オトガイ形成術)を専門とし、低侵襲手術と早期社会復帰を追求。富田統括院長との20年以上の連携実績を持つ。

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この記事の査読者

大村 進

大村 進

名誉顧問 / 口腔外科医

日本口腔外科学会認定医・専門医・指導医歯学博士

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