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顔の左右差の原因|骨格性の非対称と治療の選択肢

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査読・監修

富田大介

監修医情報

富田大介

日本矯正歯科学会認定医・代議員

参考文献

  • 1. Severt TR, Proffit WR. The prevalence of facial asymmetry. Int J Adult Orthodon Orthognath Surg. 1997;12(3):171-176.
  • 2. Choi JW, et al. Surgery-first orthognathic approach for the correction of facial asymmetry. J Craniomaxillofac Surg. 2021;49(10):914-921.
  • 3. Haraguchi S, et al. Facial asymmetry in subjects with skeletal Class III deformity. Angle Orthod. 2008;78(2):199-204.
  • 4. 小林廣之, 他. 顎変形症患者における下顎頭形態の左右差に関する研究 3DCTによる検討. 昭和歯学会雑誌. 2001.

顔の左右差(顔面非対称)の原因と治療の選択肢について解説します。

その顔の左右差、あきらめていませんか?

鏡を見るたび、あるいは写真に写る自分の顔を見て、「何だか左右のバランスが違うな」と感じたことはありませんか。多くの人が、程度の差こそあれ顔の左右差を認識しており、それがコンプレックスになっているケースは少なくありません。特に、口角の高さの違いや、顎先の歪みは、笑顔の印象や顔全体の均整に大きく影響します。こうした非対称性は、単なる見た目の問題だけでなく、「写真写りが悪い」「人と話すときに視線が気になる」といった心理的な負担につながることもあります。しかし、そのお悩みを「生まれつきだから仕方ない」と諦めてしまうのは、まだ早いかもしれません。近年の医療技術の進歩により、顔のバランスを整えるための様々な治療法が登場しています。この記事では、特に骨格に起因する顔の左右差(骨格性非対称)に焦点を当て、その原因から最新の治療選択肢までを詳しく解説していきます。あなたの長年の悩みを解決するヒントが、ここにあるかもしれません。

顔の左右差はなぜ起こる?考えられる主な原因

顔の左右差、いわゆる「顔の歪み」は、一体なぜ生じるのでしょうか。その原因は一つではなく、大きく二つに分類することができます。一つは、日常生活における些細な癖の積み重ねです。例えば、いつも同じ側で頬杖をつく、食事の際に片方の歯ばかりで噛む(偏咀嚼)、うつ伏せで寝る、足を組むといった習慣は、顔の筋肉や顎関節にアンバランスな負荷をかけ続け、徐々に非対称性を助長する可能性があります。もう一つは、より根本的な原因である「骨格の非対称性」です。これは、上顎や下顎の骨そのものの大きさや形、位置関係に左右差がある状態で、多くは「顎変形症(がくへんけいしょう)」という病名で診断されます。骨格性の非対称は、遺伝的な要因や成長過程での何らかの問題によって生じると考えられており、単なる癖の改善やマッサージだけでは根本的な解決が難しいのが特徴です。ご自身の左右差の原因がどちらにあるのかを見極めることが、適切な対処法を見つけるための第一歩となります。

骨格性の非対称かも?セルフチェックと専門的な診断

ご自身の顔の左右差が、骨格に原因があるのかどうか、気になりますよね。いくつかの簡単なセルフチェックで、その可能性を探ることができます。まず、鏡の前でまっすぐ正面を向き、左右の眉の高さ、目の大きさ、口角の高さを比べてみましょう。また、割り箸などを軽く噛んで水平に保ち、その棒が顔の中心線に対して傾いていないかも確認してみてください。さらに、顎の先端が顔の中心からどちらかにずれていないか、笑った時に下の歯の中心が上の歯の中心と一致しているかも重要なチェックポイントです。これらのチェックで顕著なズレが見られる場合、骨格性の非対称が疑われます。しかし、これらはあくまで簡易的な目安に過ぎません。正確な診断のためには、歯科や口腔外科、特に顎変形症を専門とするクリニックでの精密検査が不可欠です。専門医は、レントゲン(セファログラム)やDEXIS/RayScan 3D-CT撮影によって顔の骨格を詳細に分析し、非対称性の原因を科学的根拠に基づいて診断します。自己判断で悩まず、まずは専門家の意見を聞くことが大切です。

骨格性の顔の歪みを治す「外科矯正治療」という選択肢

もし顔の非対称性の原因が顎の骨格にあると診断された場合、どのような治療法があるのでしょうか。骨格に問題があるケースでは、歯並びだけを整える一般的な歯科矯正治療だけでは、顔の歪みそのものを根本的に改善することは困難です。そこで有効な選択肢となるのが、「外科矯正治療」です。これは、歯科矯正治療と顎の骨を切る手術(顎骨切り手術)を組み合わせることで、歯並びと顔の骨格の両方からアプローチし、理想的な噛み合わせと均整の取れた顔立ちを目指す治療法です。手術と聞くと不安に感じるかもしれませんが、「顎変形症」という医学的な診断がつけば、この治療は健康保険の適用対象となります。保険が適用されることで、高額になりがちな治療費の負担を大幅に軽減できる可能性があります。東京・南青山にあるミライズ顎変形症クリニックのように、2024年7月から保険医療機関として認定された専門施設も増えており、より多くの方がこの先進的な治療を受けやすい環境が整ってきています。

上下顎同時移動術とは?顔のバランスを整える代表的な手術

外科矯正治療の中でも、特に顔の左右差や上下の顎の大きなズレを改善するために行われる代表的な手術が「上下顎同時移動術」です。これは、上顎の骨を切る「ルフォーI型骨切り術」と、下顎の骨を切る「下顎枝矢状分割術(SSRO)」を同時に行う手術で、「両顎手術」とも呼ばれます。具体的には、まず上顎の骨を水平に切り、正しい位置に移動させてプレートで固定します。次に、下顎の骨を左右に分割し、上顎との噛み合わせが最適になる位置へスライドさせて固定します。この手術により、顔の中心線のズレ、傾き、長さといった三次元的な問題を一度に解決し、顔全体のバランスを大きく改善することが可能です。手術は全身麻酔下で行われ、口の中からアプローチするため、顔の表面に傷跡が残る心配はありません。ミライズ顎変形症クリニックの君塚幸子医師は、この上下顎骨切り手術を2.5〜3時間という短時間で完遂するほどの高い技術と豊富な経験を持っています。こうした専門医による精密な手術こそが、安全で満足度の高い結果につながる鍵となります。

進化する外科矯正:ミライズクリニックの低侵襲な治療

外科矯正は入院が長く、社会復帰に時間がかかる」というイメージは、もはや過去のものです。医療技術の進歩は、外科矯正治療をより患者様の負担が少ない「低侵襲治療」へと進化させました。その代表例が、東京・南青山にあるミライズ顎変形症クリニックの取り組みです。同クリニックでは、まず手術で顎の位置を整えてから矯正治療を行う「Surgery First(サージェリーファースト)」アプローチを積極的に採用。これにより、従来2〜3年かかっていた治療期間を大幅に短縮します。また、手術にはStryker Sonopet iQ(超音波骨切削器具・国内第一号導入)を使用し、神経や血管などの軟組織を傷つけるリスクを最小限に抑え、出血量も極めて少なくしています。さらに、低血圧麻酔との組み合わせにより、手術後の腫れや痛みを軽減。その結果、驚くべきことに手術は1泊2日で行われ、多くの患者様が翌日には歩いて退院し、63%以上が1週間未満で社会復帰を果たしています。これは、顎変形症治療の新たな可能性を示す、まさに次世代の治療スタイルと言えるでしょう。

勇気を出して、まずは専門医へのカウンセリングから

顔の左右差という悩みは非常にデリケートで、一人で抱え込んでしまいがちです。しかし、この記事を読んで、骨格性の非対称には「外科矯正治療」という確かな解決策があること、そしてその治療が以前よりもずっと身近なものになっていることをご理解いただけたのではないでしょうか。もし少しでも可能性を感じたなら、勇気を出して専門医のカウンセリングを受けてみることを強くお勧めします。カウンセリングでは、あなたの悩みを専門家が親身に聞き、精密な検査を通して的確な診断を下してくれます。その上で、どのような治療の選択肢があり、それぞれにどんなメリット・デメリットがあるのか、費用はどのくらいかといった具体的な情報を得ることができます。ミライズ顎変形症クリニックの君塚幸子医師は、日本口腔外科学会の専門医・指導医であり、数多くの難症例を手がけてきたエキスパートです。まずは話を聞いてもらうだけでも、心の負担は軽くなり、未来への展望が開けるはずです。あなたの人生を変えるかもしれない、その一歩を踏み出してみませんか。

参考文献

  1. Kim YJ, et al. Treatment outcome and long-term stability of orthognathic surgery for facial asymmetry: A systematic review and meta-analysis. J Craniomaxillofac Surg. 2024;52(3):345-352.
  2. Ko EWC, et al. Characteristics and Corrective Outcome of Face Asymmetry by Orthognathic Surgery. J Oral Maxillofac Surg. 2009;67(10):2201-2209.
  3. Ahn HW, et al. Correction of facial asymmetry and maxillary canting with 2-jaw orthognathic surgery. Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2014;146(6):795-805.
  4. Ajmera DH, et al. Three-dimensional evaluation of soft-tissue response to osseous movement after orthognathic surgery in patients with facial asymmetry: A systematic review. J Craniomaxillofac Surg. 2021;49(12):1123-1132.
  5. 日本顎変形症学会. 顎変形症診療ガイドライン. 2023.

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医学的アドバイスではありません。 治療の適応や詳細については、必ず専門医にご相談ください。 治療期間・費用・リスク・副作用は症例により異なります。

この記事の執筆者

富田 大介

富田 大介(とみた だいすけ)

ミライズウェルメディカルグループ 代表・統括院長 / 矯正歯科医

日本矯正歯科学会認定医・代議員日本顎変形症学会認定医(矯正歯科)

昭和大学歯学部卒業。東京医科歯科大学大学院(現・東京科学大学)咬合機能矯正学分野修了。ミライズウェルメディカルグループ代表・統括院長として外科矯正の矯正歯科側治療計画を専門とし、Surgery First・Early Surgeryの豊富な臨床経験を有する。東京科学大学(旧東京医科歯科大学)でデジタル矯正歯科学の教育にも携わる。口腔外科専門医との23年間に及ぶ連携歴に基づく精密な治療計画の立案と、デジタルワークフローシステムの構築を主導。

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